令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問4を解説|排水処理のアルカリ剤
令和2年度 水質関係技術特論 問4は、排水処理のアルカリ剤に関する問題です。並んだ薬品のうち、アルカリ剤として用いられないものを選びます。
この問題のポイント
酸性の排水を中和したりpHを上げたりするアルカリ剤には、水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウム・消石灰・炭酸カルシウムなどがあります。いずれも水に加えるとアルカリ性を示すか、酸を中和して働きます。分かれ目は二酸化炭素(CO2)で、これは水に溶けると炭酸となってむしろpHを下げる側に働くため、アルカリ剤には含まれません。むしろアルカリ性の水を中和して下げる用途に使われる薬剤である点が引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | アルカリ剤か | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(用いられる) | NaOH(水酸化ナトリウム)は代表的な強アルカリ剤で、酸性排水の中和に広く使われます。 |
| (2) | ×(用いられない) | CO2(二酸化炭素)は水に溶けると酸性側に働くため、アルカリ剤ではありません。むしろpHを下げる用途に使われます。 |
| (3) | ○(用いられる) | Na2CO3(炭酸ナトリウム)はアルカリ性を示し、中和剤として用いられます。 |
| (4) | ○(用いられる) | Ca(OH)2(消石灰)は安価で扱いやすいアルカリ剤として広く使われます。 |
| (5) | ○(用いられる) | CaCO3(炭酸カルシウム)も酸性排水の中和に用いられるアルカリ剤です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが該当)
アルカリ剤は「水に加えると水酸化物イオンを出す」または「酸と反応してpHを上げる」薬品です。NaOH・Na2CO3・Ca(OH)2・CaCO3はいずれもこの働きを持ちます。これに対してCO2(二酸化炭素)は水に溶けると炭酸(H2CO3)になり、水素イオンを出してpHを下げる酸性側の物質です。実際の排水処理でも、アルカリが強すぎる水を穏やかに中和する目的で吹き込むなど、アルカリ剤とは逆の使われ方をします。したがって「アルカリ剤として用いられないもの」は選択肢(2)のCO2です。
覚え方
- アルカリ剤=NaOH・Na₂CO₃・消石灰Ca(OH)₂・炭酸カルシウムCaCO₃。
- CO2は水に溶けると炭酸=pHを下げる酸性側。アルカリ剤ではない。
- 「炭酸○○(ナトリウム/カルシウム)」はアルカリ剤、「二酸化炭素そのもの」は逆、と区別。
理解度チェック
Q.
CO2はアルカリ剤として使える?
いいえ。CO2は水に溶けると炭酸になりpHを下げます。アルカリ剤ではなく、むしろ酸性側に働きます。
Q.
消石灰と炭酸カルシウムはアルカリ剤?
はい。Ca(OH)2(消石灰)もCaCO3(炭酸カルシウム)も酸性排水の中和に使うアルカリ剤です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月