令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|防振支持と振動伝達率
令和7年度 騒音・振動特論 問18は、機械をコイルばねで防振支持し、目標の振動伝達率を得るためのばねの静的たわみを求める計算問題です。適切な静的たわみの値を選びます。
この問題のポイント
減衰のないばね支持では、振動伝達率は加振振動数fと固有振動数fnの比だけで決まります。目標の伝達率からまずfnを求め、次に固有振動数と静的たわみの関係で答えに変換する、という二段構えです。分かれ目は、伝達率1/8を与える f/fn を正しく解く点で、伝達率=1/|1−(f/fn)²|からfn=10 Hzが出ます。固有振動数は静的たわみが大きいほど低くなる関係を使います。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 静的たわみ | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 約1.0 mm | × 計算値と一致しません。 |
| (2) | 約1.5 mm | × 計算値と一致しません。 |
| (3) | 約2.0 mm | × 計算値と一致しません。 |
| (4) | 約2.5 mm | ○ 下記の手順で求まる約2.5 mmと一致します。 |
| (5) | 約3.0 mm | × 計算値と一致しません。 |
計算の手順
まず目標の振動伝達率から固有振動数を求めます。減衰がないので、伝達率は 1/|1−(f/fn)²| です。防振域(加振振動数が固有振動数より高い領域)で使うので、
- 1/|1−(f/fn)²| = 1/8 → (f/fn)²−1 = 8 → (f/fn)² = 9
- f/fn = 3 → fn = f ÷ 3 = 30 ÷ 3 = 10 Hz
次に固有振動数と静的たわみδの関係 fn=(1/2π)√(g/δ) を使います(gは重力加速度9 800 mm/s²)。式を変形して、
- δ = g / (2πfn)² = 9 800 / (2π×10)²
- δ = 9 800 / 3 948 ≒ 2.5 mm
よって静的たわみ約2.5 mmのばねを用いればよく、正解は選択肢(4)です。伝達率を小さくするほど固有振動数を下げる(=静的たわみの大きい柔らかいばねにする)方向になります。
覚え方
- 減衰なしの振動伝達率はf/fn だけで決まる。1/8なら f/fn=3。
- 固有振動数は静的たわみが大きいほど低い(柔らかいばね=低fn=よく効く防振)。
理解度チェック
Q.
減衰のないばねで振動伝達率が1/8になるのは f/fn がいくつのとき?
f/fn=3のときです。(f/fn)²−1=8 より (f/fn)²=9 となります。
Q.
防振効果を大きくするには静的たわみを大きくする?小さくする?
大きくします。静的たわみが大きいほど固有振動数が下がり、f/fnが大きくなって伝達率が小さくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月