令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問10を解説|騒音の測定計画
令和3年度 騒音・振動特論 問10は、工場内の機械騒音を対策するための測定計画に関する問題です。音源から受音点までの伝搬経路に沿って測定場所と内容を決めるという考え方のもと、記述として不適当なものを選びます。
この問題のポイント
測定計画は「音源 → 建物内 → 建物(壁など) → 敷地内 → 敷地境界」と、音の伝わる道すじに沿って組み立てます。ここでの引っかけは、測定結果から何が分かるかの取り違えです。壁や窓の内外で測ったバンド音圧レベルの差から分かるのは、その部位が音をどれだけ遮るか=透過損失(遮音性能)です。吸音特性ではありません。この点を「吸音特性」と述べた選択肢(3)が不適当で、正解となります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 敷地境界で問題になりそうな大きな音を出す機械を抽出して測るのは妥当です。 |
| (2) | ○(正しい) | 建物内では騒音レベル、周波数分析、残響時間などを測るのが一般的です。 |
| (3) | ×(誤り) | 内外のレベル差から求まるのは透過損失(遮音性能)。吸音特性ではありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 距離減衰を知るため、屋外で騒音レベルの分布曲線を描くのは適切です。 |
| (5) | ○(正しい) | 敷地境界では騒音レベル、背景騒音、周波数分析を測るのが基本です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
壁・窓・出入口の内外でバンド音圧レベルを測り、その差をとると、その部位が音をどれだけ通しにくいか、つまり透過損失(遮音性能)が分かります。差が大きいほど遮音がよい、という指標です。これを選択肢(3)は「周波数別の吸音特性を求める」と述べており、遮音(通しにくさ)と吸音(吸い込みやすさ)を取り違えています。吸音特性は残響時間などから評価するもので、内外のレベル差からは求められません。ほかの4つは伝搬経路に沿った測定として妥当なので、意味を取り違えた(3)だけが不適当です。
覚え方
- 壁の内外のレベル差=透過損失(遮音性能)。吸音特性ではない。
- 吸音は残響時間から、遮音は内外のレベル差から。指標の出どころを分ける。
- 測定計画は「音源→建物内→壁→敷地内→敷地境界」の伝搬経路に沿って組む。
理解度チェック
壁の内外で測ったバンド音圧レベルの差から分かるのは何か?
透過損失(遮音性能)です。その部位が音をどれだけ通しにくいかを表し、差が大きいほど遮音が優れています。吸音特性ではありません。
吸音特性は、どんな測定から評価するか?
残響時間などから評価します。室内の響きの減り方をみることで、その室の吸音の程度が分かります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月