令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問8を解説|吸音率の性質
令和3年度 騒音・振動特論 問8は、吸音率の性質に関する問題です。反射率との関係、入射角、残響時間、測定方法など5つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸音率は、入ってきた音のエネルギーのうち反射せずに材料側へ吸われる割合です。反射する割合を反射率とすると、両者の合計は1になるので、吸音率 = 1 − 反射率という「引き算」の関係になります。ここに引っかけがあり、選択肢(1)は「反射率の逆数」としています。逆数(1/反射率)は1を超えることもあり、割合を表す吸音率の定義に合いません。これが誤りで、選択肢(1)が正解です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 吸音率は1から反射率を引いた値。反射率の逆数ではありません。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸音率は音の当たる角度(入射角)によって変わります。 |
| (3) | ○(正しい) | 吸音率が大きいほど音が早く減衰し、残響時間は短くなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 垂直入射吸音率の測定方法(管内法)は日本産業規格で規定されています。 |
| (5) | ○(正しい) | 実務で一般に用いられるのは、あらゆる方向から音が入る残響室法吸音率です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
音が材料に当たると、一部は跳ね返り(反射率)、残りは吸われます(吸音率)。エネルギーの割合なので両者を足すと1になり、吸音率 = 1 − 反射率という引き算で結ばれます。ところが選択肢(1)は「反射率の逆数」としており、これは1/反射率という別物です。逆数だと反射率が小さいほど大きな値になり、1を超えてしまうこともあって、0〜1の割合である吸音率とは相いれません。「逆数」と「1から引く」を取り違えさせるのが、この問題のねらいです。
覚え方
- 吸音率=1 − 反射率(足して1)。逆数ではない。
- 吸音率が大きい→残響時間は短い。入射角で吸音率は変わる。
- 実務で使うのは残響室法吸音率、規格で定めるのは垂直入射吸音率の測定法。
理解度チェック
Q.
吸音率と反射率の関係を正しく表すと?
吸音率 = 1 − 反射率です。入射エネルギーのうち反射しなかった割合が吸音率で、足すと1になります。逆数ではありません。
Q.
吸音率が大きい材料を使うと、残響時間はどうなるか?
短くなります。吸音力が増えて音のエネルギーが早く減るため、響き(残響)が短くなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月