令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問1を解説|板の振動と音源対策
令和3年度 騒音・振動特論 問1は、板が振動して音波を放射するときの音源対策に関する問題です。示された5つの手段のうち、対策として最も不適当なものを選びます。
この問題のポイント
振動する板から出る音(放射音)を減らす考え方は大きく2方向です。ひとつは板を振動させにくくすること(加振力を小さくする、板を厚く・剛くする、制振材で振動エネルギを吸収する)。もうひとつは放射する面を減らすことです。ここに引っかけがあります。音を放射するのは板の表面なので、表面積を大きくすると放射音はむしろ増えます。したがって「表面積を大きくする」は対策として逆向きで、これが選択肢(2)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 加振力を小さくすれば板の振動そのものが小さくなり、放射音も減ります。 |
| (2) | ×(誤り) | 音を放つ面が広がるため放射音は増える。対策としては逆効果です。 |
| (3) | ○(正しい) | 板を厚くすると剛性が上がり振動しにくくなるので有効です。 |
| (4) | ○(正しい) | 制振処理は振動エネルギを熱に変えて吸収するので有効です。 |
| (5) | ○(正しい) | 補助材で剛性を高めると振動振幅が抑えられ、放射音が減ります。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
板が音を出すのは、板の表面が空気を押して波をつくるからです。同じ振動でも放射する表面積が広いほど、まわりの空気を多く動かして放射音は大きくなります。ですから音源対策としては、面を小さくする方向に働かせるのが筋で、「表面積を大きくする」は効果が逆になります。他の4つはいずれも「振動を起こさない・伝えない」方向の手当てで正しく、方向がひとつだけ逆の(2)が最も不適当です。
覚え方
- 放射音を減らす2方向=振動させない(剛く・厚く・制振)/放射面を小さくする。
- 表面積を大きくするのは放射音を増やす向き。対策とは逆。
- 「厚く・剛く・制振・加振力ダウン」は減、「面積アップ」は増、と符号で覚える。
理解度チェック
Q.
振動する板の表面積を大きくすると、放射音はどうなるか?
大きくなります。音を放つ面が広がるほど空気を多く動かすため、放射音は増えます。音源対策としては逆効果です。
Q.
板を厚くしたり補助材で剛性を高めると、なぜ放射音が減るのか?
板が振動しにくくなるからです。同じ加振力でも振幅が小さくなり、放射する音も小さくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月