令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問24を解説|1自由度系の減衰振動
令和4年度 騒音・振動概論 問24は、速度に比例する粘性減衰をもつ1自由度系の減衰振動に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
粘性減衰系の振る舞いは減衰比ζで決まります。分かれ目は、振動(行きつ戻りつする減衰振動)が生じるのはどちらか、という向きです。減衰比が1未満(不足減衰)のときにこそ、揺れながら振幅が小さくなる減衰振動が生じます。ζが1以上(臨界減衰・過減衰)では往復せず、ゆっくり戻るだけで振動現象は起こりません。固有振動数が√(1−ζ²)倍になること、対数減衰率で減衰を表すこと、ζが小さいとき対数減衰率が2πζになることなどは基本どおりです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 減衰比が1未満のときにこそ減衰振動が生じます。「振動現象は生じない」は向きが逆です。 |
| (2) | ○(正しい) | 減衰系の固有振動数は、減衰のない場合の√(1−ζ²)倍になります。 |
| (3) | ○(正しい) | 振幅が時間とともに小さくなる減衰の程度は、対数減衰率で表されます。 |
| (4) | ○(正しい) | 減衰比が非常に小さいとき、対数減衰率は減衰比の2π倍で近似できます。 |
| (5) | ○(正しい) | 減衰振動している系を強制加振すると、共振の条件で振幅が増加することがあります。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
粘性減衰系では、減衰比ζの大きさで戻り方が3つに分かれます。ζが1未満(不足減衰)のときは、行きつ戻りつしながら振幅が小さくなる「減衰振動」が生じます。ζが1(臨界減衰)やζが1を超える(過減衰)ときは、往復せずにゆっくり平衡位置へ戻るだけで、振動現象は起こりません。選択肢(1)は「減衰比が1未満のとき、振動現象は生じない」としており、振動が生じる条件を逆に述べています。固有振動数の√(1−ζ²)倍(選択肢(2))、対数減衰率(選択肢(3))、対数減衰率≒2πζ(選択肢(4))、強制加振での振幅増加(選択肢(5))は基本どおりです。
覚え方
- 減衰振動が生じるのは減衰比ζが1未満(不足減衰)のとき。
- ζが1以上(臨界減衰・過減衰)=往復せずに戻るだけ。
- 減衰系の固有振動数=減衰なしの√(1−ζ²)倍。
理解度チェック
減衰振動(揺れながら減衰する動き)が生じるのは、減衰比がどんなとき?
減衰比が1未満(不足減衰)のときです。1以上では往復せず、ゆっくり戻るだけになります。
減衰比が非常に小さいとき、対数減衰率は減衰比の何倍で近似できる?
約2π倍です。減衰が小さいほどこの近似がよく成り立ちます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月