令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問25を解説|共振現象と増幅
令和3年度 騒音・振動概論 問25は、共振現象が介在して加振力の影響が拡大される場合に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
共振による増幅の仕組みや測定系の共振など、実務に近い記述が並びます。分かれ目は減衰と共振ピークの関係で、減衰がある系では最大変位振幅を与える振動数比は1より小さい側に現れ、減衰比が大きいほどこの比はさらに小さくなります。選択肢(5)はこれを「1よりも大きいほうにずれる」としており、向きが逆で誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 機械の質量と支持ばねからなる振動系の共振で、力が増幅されます。 |
| (2) | ○(正しい) | 伝搬の途中で、地層間の反射により振動が増幅することがあります。 |
| (3) | ○(正しい) | 建物内部の振動が地面より大きいのは、建物の共振による増幅と考えられます。 |
| (4) | ○(正しい) | 振動ピックアップと床面からなる系が、測定対象の振動と共振することがあります。 |
| (5) | ×(誤り) | 最大変位振幅を与える振動数比は、減衰比が大きいほど1より小さい側にずれます。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
減衰がある1自由度系では、変位振幅が最大になる加振振動数は共振点よりわずかに低いところに現れ、最大振幅を与える振動数比は1より小さい側に位置します。減衰比が大きくなるほど最大振幅は小さくなり、そのピークの振動数比はさらに1より小さいほう(低い側)へずれていきます。選択肢(5)は「1よりも大きいほうにずれる」と述べており、向きが反対で誤りです。減衰を強めるとピークは低い側へ動くと覚えます。
覚え方
- 減衰があると最大変位のピークは振動数比1より小さい側。
- 減衰比が大きいほどピークは低い側へずれ、最大振幅も小さくなる。
- 共振・反射・建物や測定系の共振はいずれも増幅の原因になり得る。
理解度チェック
Q.
減衰比を大きくすると、最大変位振幅を与える振動数比はどちらへ動く?
1より小さいほう(低い側)へずれます。同時に最大振幅そのものは小さくなります。
Q.
地面より建物内部の振動が大きくなるのはなぜ?
建物の共振によって振動が増幅されるためと考えられます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月