公害防止管理者 独学ノート

公害防止管理者 独学ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 汚水処理特論
  4. 令和7年
  5. > 問21 BODの植種液

令和7年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問21を解説|BODの植種液

令和7年度 汚水処理特論 問21は、排水のBOD測定に用いる植種液に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

BODは、微生物が有機物を分解するときに使う酸素の量です。試料に微生物がほとんどいないと分解が進まないため、微生物を補う「植種液」を加えます。引っかけの核心は、植種液に硝化生物(アンモニアを硝酸に変える菌)が多い場合の良し悪しです。硝化が進むとアンモニアの酸化でも酸素が消費され、有機物の分解による酸素消費(炭素系BOD)に上乗せされて値がずれてしまいます。だからBOD測定では硝化はむしろ避けたく、硝化生物の多い下水は植種液として好ましくない、という向きを押さえます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)生物化学的に十分こなれていない下水は微生物の働きが安定せず、植種液として好ましくありません。正しい記述です。
(2)○(正しい)新鮮な生下水を20℃または室温で24〜36時間放置し、その上澄み液を用いるのは標準的な手順です。正しい記述です。
(3)×(誤り)硝化生物の多い下水の上澄み液が好ましい」とした点が誤りです。硝化は測定値を狂わせるため、むしろ好ましくありません。
(4)○(正しい)下水の上澄み液で正常なBODが出ないときは、土壌抽出液などを植種液に用います。正しい記述です。
(5)○(正しい)排水の放流地点から500〜1000m下流の河川水を植種液に用いると良好な結果を得ることがあります。正しい記述です。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

BODで本来測りたいのは、有機物(炭素分)が分解されるときの酸素消費です。ところが植種液に硝化生物が多いと、アンモニアを硝酸へ酸化する反応でも酸素が使われ、炭素系の酸素消費に硝化分が上乗せされて、BOD値が実態より大きく出てしまいます。これは測定の妨げになるため、硝化生物の多い下水は植種液として好ましくありません。選択肢(3)は「好ましい」と、向きを逆に述べている点が誤りです。硝化を抑えたい測定では、硝化菌が少ない植種液が望ましいと押さえます。

覚え方

  • BODが測りたいのは有機物(炭素)の分解による酸素消費。硝化分は邪魔。
  • 硝化生物が多い植種液=好ましくない(値が過大になる)。
  • 植種液の作り方=生下水を20℃で24〜36時間放置し上澄みを使う。

理解度チェック

Q.

硝化生物の多い下水の上澄み液は、BODの植種液として好ましい?好ましくない?

好ましくありません。硝化でも酸素が消費され、有機物分解による酸素消費に上乗せされてBOD値が過大になるためです。

Q.

植種液は、新鮮な生下水をどのように処理して作る?

20℃または室温で24〜36時間放置し、その上澄み液を用います。十分にこなれていない下水は適しません。

この問題に関連する用語解説

令和7年 汚水処理特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF

Topへ >>