令和7年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問16を解説|脱窒のメタノール量
令和7年度 汚水処理特論 問16は、脱窒素反応に必要なメタノール量を求める計算問題です。硝酸の還元とメタノールの酸化の半反応式が与えられています。
この問題のポイント
脱窒は、硝酸イオン(NO₃⁻)を窒素ガス(N₂)に還元する反応で、その電子を供給する水素供与体としてメタノールが消費されます。この問題は「授受する電子の数を合わせる」だけで解けます。硝酸を還元する半反応式から「NO₃⁻ 1 molが受け取る電子数」を、メタノールの酸化の半反応式から「メタノール 1 molが出す電子数」を読み取り、受け取る電子の総数=出す電子の総数となるようにメタノール量を決めます。有機物は細胞合成に使われず呼吸(電子供与)にのみ使う、という条件がこの単純化を許しています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 値(mol) | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 2 | 合いません。 |
| (2) | 3 | 合いません。 |
| (3) | 4 | 合いません。 |
| (4) | 5 | 正しい値。電子30 molを供給するのに必要なメタノールは5 molです。 |
| (5) | 6 | 合いません。NO₃⁻とメタノールを1対1で対応させると出る誤りの値です。 |
選択肢(4)のポイント(計算の手順)
与えられた半反応式から、1 molあたりの電子数を読み取ります。
- 硝酸の還元(電子を受け取る側):半反応式は NO₃⁻ 1 molあたり電子5 molを受け取る形になっています(係数を整理すると 1/5 NO₃⁻ につき電子1 mol)。よって NO₃⁻ 1 molが受け取る電子は5 mol。
- 必要な電子の総数:NO₃⁻ 6 mol を還元するので、6 × 5 = 30 molの電子が要ります。
- メタノールの酸化(電子を出す側):半反応式は メタノール 1 molあたり電子6 molを放出する形になっています(1/6 CH₃OH につき電子1 mol)。よってメタノール 1 molが出す電子は6 mol。
- 必要なメタノール量:電子30 molを供給するには 30 ÷ 6 = 5 mol。
NO₃⁻とメタノールを単純に1対1(6 mol対6 mol)と考えると選択肢(5)に引き込まれます。1分子あたりの電子数が違う(硝酸は5電子、メタノールは6電子)ことを押さえるのが核心です。
覚え方
- 酸化還元の計算は受け取る電子の総数=出す電子の総数で合わせる。
- NO₃⁻→N₂ は1分子あたり5電子、CH₃OH の酸化は1分子あたり6電子。
- 物質のmol比でなく電子のmolでつり合わせる。1対1で考えない。
理解度チェック
脱窒に必要なメタノール量は、何を等しくして求める?
硝酸の還元が受け取る電子の総数と、メタノールの酸化が出す電子の総数を等しくして求めます。この問題では電子30 molを供給するメタノール量=5 molです。
NO₃⁻ 1 molとメタノール 1 molでは、やりとりする電子数は同じ?
違います。NO₃⁻ を窒素まで還元すると1 molあたり5電子、メタノールの酸化は1 molあたり6電子です。1対1で対応させると誤った答え(6 mol)になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月