公害防止管理者 独学ノート

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令和5年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問17を解説|生物的脱りん法

令和5年度 汚水処理特論 問17は、生物的脱りん法の原理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

生物的脱りん法は、嫌気槽と好気槽を順に通すことで、活性汚泥にりんを通常より多く取り込ませ、それを余剰汚泥として抜いてりんを除く方法です。嫌気状態でりんを放出させ、好気状態で放出量を上回るりんを過剰に取り込ませる「放出してから多めに摂取する」流れが核心です。引っかけは、嫌気状態で何が起きているか。選択肢(3)は嫌気状態で蓄積したPHBを使った「細胞増殖」が行われるとしていますが、嫌気状態でPHBは蓄えられる側であり、それを使った増殖が進むのは好気状態です。嫌気と好気で起きることの向きを取り違えないことが分かれ目です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)前段の嫌気槽と後段の好気槽を経て、りんを高濃度に蓄えた汚泥を余剰汚泥として抜きます。方法の骨格どおりの正しい記述です。
(2)○(正しい)嫌気状態では細胞内のポリりん酸が加水分解され、正りん酸として液中へ放出されます。りん放出を述べた正しい記述です。
(3)×(誤り)嫌気状態でPHBを用いた細胞増殖が行われるとする点が誤りです。嫌気ではPHBを蓄える側で、それを使った増殖は好気状態で進みます。
(4)○(正しい)好気状態では正りん酸を液中から摂取し、ポリりん酸として再び蓄えます。りんの過剰摂取を述べた正しい記述です。
(5)○(正しい)好気状態では放出量を上回る量のりんを蓄えるため、汚泥のりん含有量が増えます。過剰摂取の結果を述べた正しい記述です。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

生物的脱りん法の主役であるりん蓄積細菌は、嫌気状態と好気状態で役割を切り替えます。嫌気状態では、細胞内のポリりん酸を分解して得たエネルギーで有機物を取り込み、PHB(ポリ-β-ヒドロキシ酪酸)として体内に蓄えるのが主な働きで、りんは液中へ放出されます。蓄えたPHBをエネルギー源に使い、りんを過剰に取り込みながら増殖するのは酸素のある好気状態です。選択肢(3)は嫌気状態で「PHBを用いた細胞増殖が行われる」と段階を取り違えている点が誤りです。嫌気は「PHBを溜める・りんを吐く」、好気は「PHBを使って増える・りんを溜め込む」と、向きを逆にしないことが要点です。

覚え方

  • 嫌気=りん放出・PHB蓄積/好気=りん過剰摂取・PHBを使って増殖。
  • 放出量より多く摂取するから、汚泥のりん含有量が増える。
  • りんを溜めた汚泥を余剰汚泥として抜いて系外へ。

理解度チェック

Q.

蓄えたPHBを使った細胞増殖が進むのは、嫌気状態と好気状態のどちら?

好気状態です。嫌気状態ではPHBを蓄え、りんを放出します。PHBをエネルギー源に使って増殖し、りんを過剰に取り込むのは好気状態です。

Q.

生物的脱りん法では、最終的にりんはどうやって系外へ除かれる?

好気状態でりんを高濃度に蓄えた活性汚泥を、余剰汚泥として引き抜くことで系外へ取り除きます。放出量を上回る摂取が起こるのがこの方法の肝です。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF

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