令和3年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問14を解説|返送汚泥率の計算
令和3年度 汚水処理特論 問14は、標準活性汚泥法の返送汚泥率を求める計算問題です。汚泥負荷・容積負荷・返送汚泥濃度から返送汚泥率を計算し、正しい値を選びます。
この問題のポイント
汚泥負荷(BOD-SS負荷)と容積負荷は、どちらも曝気槽に入るBOD量の指標で、両者の比が曝気槽のMLSS濃度を決めます。まず容積負荷÷汚泥負荷でMLSS濃度を出し、次に濃い返送汚泥が流入排水と混ざって曝気槽のMLSSになる、という物質収支から返送汚泥率を導く二段構えです。引っかけの核心は、返送汚泥率を「返送汚泥濃度と曝気槽MLSS濃度の差」で割る形にできるかどうか。流入排水のSSは無視してよいので、薄める側は返送汚泥だけになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 0.2 では物質収支が成立しません。値が小さすぎます。 |
| (2) | ×(誤り) | 0.3 では計算値と一致しません。 |
| (3) | ○(正しい) | MLSS=2000 mg/L、返送汚泥6000 mg/L で物質収支を解くと返送汚泥率は0.5。これが正解です。 |
| (4) | ×(誤り) | 0.6 は0.5より大きく、計算値と一致しません。 |
| (5) | ×(誤り) | 0.8 では返送汚泥が多すぎ、物質収支が合いません。 |
計算の手順
まず曝気槽のMLSS濃度を求めます。汚泥負荷は「容積負荷÷MLSS濃度」の関係にあるので、MLSS濃度は容積負荷を汚泥負荷で割って得られます。
MLSS濃度 = 容積負荷 ÷ 汚泥負荷 = 0.8 ÷ 0.4 = 2.0 kg/m3 = 2000 mg/L
次に、曝気槽の入口で物質収支を立てます。流入排水(流量Q、SSは無視)に返送汚泥(流量 R×Q、濃度6000 mg/L)が合流し、曝気槽MLSS(流量(1+R)×Q、濃度2000 mg/L)になります。返送汚泥率をRとすると、
6000 × R = 2000 ×(1 + R)
6000R = 2000 + 2000R → 4000R = 2000 → R = 0.5
したがって返送汚泥率は0.5で、正解は選択肢(3)です。MLSS濃度を先に求めずに返送汚泥率を出そうとすると解けない点が、この問題のつまずきどころです。
覚え方
- MLSS濃度は容積負荷÷汚泥負荷で出す。
- 返送汚泥率 R = MLSS ÷(返送汚泥濃度 − MLSS)。この問題では2000÷(6000−2000)=0.5。
- 流入排水のSSを無視できるなら、薄める側は返送汚泥だけ。
理解度チェック
曝気槽のMLSS濃度はどう求める?
容積負荷÷汚泥負荷です。0.8÷0.4=2.0 kg/m3=2000 mg/Lとなります。
返送汚泥率はどんな式で出せる?
R=MLSS÷(返送汚泥濃度−MLSS)です。2000÷(6000−2000)=0.5になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月