令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問2を解説|向流多段洗浄の計算
令和2年度 汚水処理特論 問2は、3段の向流多段洗浄で、洗浄水量比を変えたときに製品が持ち出す不純物量が何分の1になるかを求める計算問題です。最も近い値を選びます。
この問題のポイント
向流多段洗浄では、段数nと洗浄水量比R(=洗浄水量Vと製品が持ち出す水量vの比 V/v)が大きいほど、製品に残る不純物が小さくなります。段数を固定したときの残存割合は R と n だけで決まるので、比V/vを5から10へ上げる前後の値を計算し、その比をとれば「何分の1になったか」が求まります。持ち出し水量vの半減は、洗浄水量Vをそのままに V/v を倍にする(5→10)ための操作にあたります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 1/2。減少がゆるすぎ、計算値と合いません。 |
| (2) | × | 1/4。計算値のおよそ1/7とは合いません。 |
| (3) | × | 1/5。近いが計算値のおよそ1/7には届きません。 |
| (4) | ○(正しい) | 1/7。残存割合の比がおよそ1/7となり、計算値と一致します。 |
| (5) | × | 1/10。減少を大きく見積もりすぎです。 |
計算の手順
n段の向流多段洗浄で製品に残る不純物の割合は、洗浄水量比 R=V/v を使って、およそ次の式で表せます。
残存割合 = (R − 1) / (Rn+1 − 1)
段数は n=3 で固定です。V/v=5 のときと V/v=10 のときで、それぞれ残存割合を求めます。
- V/v=5:(5 − 1) / (54 − 1) = 4 / 624 = 約0.00641
- V/v=10:(10 − 1) / (104 − 1) = 9 / 9999 = 約0.00090
変化後を変化前で割ると、0.00090 ÷ 0.00641 = 約0.14、すなわちおよそ1/7です。したがって不純物量はおよそ1/7に減り、正解は選択肢(4)です。
覚え方
- 向流多段洗浄は段数nと洗浄水量比R=V/vが大きいほど不純物が減る。
- 残存割合=(R−1)/(Rn+1−1)。前後で計算して比をとる。
- vの半減はVそのままでR(V/v)を倍にする操作。
理解度チェック
Q.
向流多段洗浄で不純物の残りを小さくするには、何を大きくすればよい?
段数nと洗浄水量比R(V/v)です。どちらも大きいほど、製品に残る不純物の割合が小さくなります。
Q.
V/vを5から10に上げると、残存不純物量はおよそ何分の1になる?
およそ1/7です。残存割合(R−1)/(R4−1)を前後で計算し、比をとると約0.14=約1/7になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月