令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問6を解説|ダイオキシン類問題の歴史
令和7年度 ダイオキシン類概論 問6は、ダイオキシン類問題の歴史的経緯に関する正誤問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の歴史は、合成の発見、除草剤(枯葉剤)の不純物、食中毒事件、工場爆発、焼却炉からの検出といった出来事で押さえます。ここでの引っかけは、日本で1968年に起きた米ぬか油による食中毒(いわゆるカネミ油症)の原因物質です。この事件の主因は、後の研究でPCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン)とコプラナーPCBsと結論されました。選択肢(3)はこれをPCDDsとすり替えている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 19世紀にドイツの化学者が塩素化ダイオキシンを合成したのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ベトナム戦争の除草剤に不純物としてダイオキシン類が含まれた点は正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 米ぬか油食中毒の原因はPCDFsとコプラナーPCBsとされます。「PCDDsとコプラナーPCBs」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 1976年のイタリア・セベソの農薬工場爆発事故は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 1977年に都市ごみ焼却炉の飛灰からダイオキシン類が検出された点は正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
米ぬか油による食中毒(カネミ油症)は、製造工程で熱媒体として使われていたPCBが油に混入し、さらに加熱によって一部が変化したことが背景にあります。後年の研究で、健康被害の主因はPCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン)とコプラナーPCBsと結論づけられました。選択肢(3)は、この原因をPCDDs(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン)としています。ダイオキシン類の中でも「ジベンゾフラン(PCDFs)」と「ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs)」は別の骨格であり、ここを取り違えている点が誤りです。
覚え方
- 米ぬか油食中毒の主因はPCDFsとコプラナーPCBs(PCDDsではない)。
- PCBが混入・加熱→PCDFsに変化、という流れ。
- 枯葉剤の不純物・焼却炉飛灰からの検出は歴史の定番。
理解度チェック
Q.
米ぬか油による食中毒の原因物質は?
PCDFsとコプラナーPCBsと結論されています。PCDDsではありません。
Q.
PCDFsとPCDDsの違いは?
骨格が異なります。PCDFsはジベンゾフラン骨格、PCDDsはジベンゾ-パラ-ジオキシン骨格です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月