令和3年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問18を解説|排ガス試料採取装置の条件
令和3年度 ダイオキシン類特論 問18は、JIS K 0311に定める排ガス試料採取装置が満たすべき条件に関する問題です。四つの正しい条件と一つの誤った記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排ガス試料採取装置には、十分な捕集率がある、ダイオキシン類の二次生成や分解が起こらない、採取後から抽出までの間に損失がない、ダストや現場の大気による汚染・混入がない、といった条件が求められます。これらの質的な条件はいずれも正しく述べられています。核心は、(1)が示す等速吸引の許容相対誤差という数値条件です。JISは、実際の排ガス流速に対して等速吸引ができる相対誤差の範囲を、(1)が掲げる幅より狭く(厳しく)定めています。数値条件だけが緩すぎる点が引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 等速吸引の許容相対誤差の数値。JISはこれより狭い(厳しい)範囲を規定しており、示された幅は緩すぎます。 |
| (2) | ○(正しい) | ダイオキシン類について十分な捕集率がある、という条件は必要で正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 採取の過程でダイオキシン類の二次生成や分解が起こらない、という条件も正しいです。 |
| (4) | ○(正しい) | 採取後から抽出操作までの間にダイオキシン類の損失がない、という条件も正しいです。 |
| (5) | ○(正しい) | ダストによる汚染や、採取中の現場大気の混入がない、という条件も正しいです。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
等速吸引とは、排ガスの流速と採取ノズルへ吸い込む速度をそろえ、粒子を偏りなく採るための操作です。吸引が速すぎたり遅すぎたりすると、粒子の採れ方が実際とずれてしまうため、JISは実際の排ガス流速に対する許容相対誤差を狭い範囲に定めています。(1)はこの許容相対誤差の数値を緩く(広く)示している点が誤りで、JISが求める範囲はこれより厳しくなっています。数値をJISの規定どおり狭い範囲に直すと正しい記述になります。
覚え方
- 等速吸引は排ガス流速に採取速度を合わせる操作。
- 許容相対誤差はJISで狭く規定。数値を緩く書いた記述が誤り。
- 捕集率・二次生成防止・損失なし・汚染なしは、いずれも必要な条件。
理解度チェック
等速吸引で採取速度を合わせる相手は?
測定点の排ガス流速です。速度をそろえないと粒子の採れ方が偏ります。
採取装置に求められる条件を、数値以外で二つ挙げると?
二次生成・分解が起こらないこと、汚染や大気混入がないことなどです(十分な捕集率、採取後の損失なしも同様)。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月