令和7年度 大規模大気特論 問2は、低層大気中の対流と風の乱れに関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
地表付近の風の乱れには、源の違いで二つの型があります。日射で暖められた地面から立ちのぼる自由対流(熱対流)と、地面のでこぼこ(粗度)が風速の鉛直勾配を生んで起こす強制対流(機械的乱れ)です。強制対流が強く効く風が速い状況では大気は中立に近づき、気温の下がり方は乾燥断熱減率に近づきます。引っかけの核心は、自由対流による乱れが何で決まるかです。自由対流は熱が源なので、風速に正比例して増えるという結びつけは成り立ちません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 自由対流は日射などで暖められた地表面上に生じる熱対流です。源が熱であるという正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 強制対流は地表面の粗度に起因する風速の鉛直勾配によって発生します。機械的な乱れの説明として正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 自由対流による風の乱れが風速に比例して増大するとする点が誤りです。自由対流は熱が源で、強制対流の説明と取り違えています。 |
| (4) | ○(正しい) | 強制対流が卓越する強風下では大気安定度は中立に近づき、気温減率は乾燥断熱減率に近づきます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 強制対流でつくられる中立層の厚さは一般に数百メートル以下とされます。規模感として正しい記述です。 |
自由対流と強制対流は「乱れの源」が違います。自由対流は地面が日射で暖まること(浮力)が源なので、無風に近くても日中の地面が熱ければ盛んに立ちのぼります。一方で「風速に比例して乱れが増える」のは、風と地面のこすれが源の強制対流の性質です。選択肢(3)は自由対流の乱れを風速に結びつけている点が誤りで、二つの対流の特徴を入れ替えた引っかけです。
自由対流の乱れの源は何?
日射などで暖められた地表面の熱(浮力)です。風速ではなく地面が暖まることで生じる熱対流なので、風速への単純な比例関係はありません。
強制対流が卓越する強風時、大気安定度と気温減率はどうなる?
安定度は中立に近づき、気温減率は乾燥断熱減率に近づきます。風による機械的な混合が進むためです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月