令和5年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問8を解説|重油火力の乾式処理
令和5年度 大規模大気特論 問8は、重油・重質油焚き火力発電設備のSO3対策(乾式処理)に関する穴埋め問題です。ア~ウに入る語句・数値の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
重油などを燃やすと、排ガス中にSO2だけでなく硫酸ミストのもとになるSO3も生じます。その対策として、煙道内にアンモニアガスを注入してSO3と反応させ、硫酸アンモニウムという固体の粒子に変えて電気集じん装置で捕まえる方式が一般化しています。ここで重要なのが反応を完結させることです。アンモニアが足りないと酸性硫酸アンモニウム(硫酸水素アンモニウム)の段階で止まり、固形化せず付着トラブルのもとになります。完全に中性の硫酸アンモニウムまで進めるには、SO3に対するアンモニアのモル比を2以上にする必要があります。引っかけは、生成物(酸性か中性か)、状態(固形化か液化か)、モル比の3点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
空欄に入る正しい語句
| 空欄 | 正しい語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 硫酸アンモニウム | SO3とアンモニアを十分反応させて中性の硫酸アンモニウムにします。 |
| イ | 固形化 | 硫酸アンモニウムは固体の粒子として固形化し、電気集じん装置で捕集できます。 |
| ウ | 2以上 | 反応を完結させるには、SO3に対するアンモニアのモル比を2以上にします。 |
ここが分かれ目
狙いは、SO3を扱いやすい固体に変えて集じんすることです。アンモニアが不足すると酸性硫酸アンモニウム(硫酸水素アンモニウム)で止まり、これは固形化しにくく付着の原因になります。だから生成物は中性の硫酸アンモニウム、状態は固形化が正解で、「液化」では集じん装置で捕まえる狙いと合いません。さらに、硫酸アンモニウムは1分子のSO3(H2SO4)に対しアンモニア2分子を要するため、反応を完結させるにはモル比を2以上に保つ必要があります。1では中性まで進みません。3点を満たすのは選択肢(4)です。
覚え方
- SO3対策=アンモニア注入で硫酸アンモニウム(固形化)にして集じん。
- 不足すると酸性硫酸アンモニウムで止まり付着トラブル。完結が大事。
- 中性まで進めるにはモル比2以上。1では足りない。
理解度チェック
SO3にアンモニアを注入する目的は、何という物質に変えて捕集するため?
中性の硫酸アンモニウムです。固体の粒子に固形化させ、電気集じん装置で捕集します。
反応を完結させるための、SO3に対するアンモニアのモル比は?
2以上です。1では酸性硫酸アンモニウムで止まり、中性の硫酸アンモニウムまで進みません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月