令和4年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問9を解説|大規模設備のSOx対策
令和4年度 大規模大気特論 問9は、大規模設備のSOx(硫黄酸化物)対策に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
SOx対策は設備ごとに主流の方式が異なります。石炭火力は安価な石灰石を使う湿式石灰石こう法、ごみ焼却はアルカリ剤との反応、鉄鋼の焼結炉では活性炭・活性コークスの乾式脱硫などです。セメント製造では、原料に含まれるアルカリ性成分(石灰質)がSOxを取り込むのが特徴で、専用の活性炭乾式吸着を主体とするわけではありません。分かれ目は、セメントのSOx除去を「活性炭の乾式吸着が主」と読むかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 重油焚き火力のSO₃ガス対策として、アンモニアを煙道内に注入する方法が用いられる。正しい。 |
| (2) | ○(正しい) | 石炭火力の脱硫は、安価な石灰石を使う湿式石灰石こう法が一般的。正しい。 |
| (3) | ×(誤り) | セメント製造のSOx除去を「主に活性炭の乾式吸着」とする点が誤り。原料のアルカリ分がSOxを取り込むのが特徴。 |
| (4) | ○(正しい) | ごみ焼却設備は、SOxをアルカリ剤と反応させて除去する。正しい。 |
| (5) | ○(正しい) | 鉄鋼の焼結炉排ガスに、活性炭・活性コークスを用いた乾式脱硫法の導入例がある。正しい。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
セメント製造では、原料である石灰石などのアルカリ性成分がSOxを吸収・固定するため、排ガス中のSOxは製造プロセスの中で相当量が取り込まれます。したがって選択肢(3)の主に活性炭を用いる乾式吸着プロセスが用いられるという記述が誤りです。活性炭・活性コークスの乾式吸着が主役になるのは、選択肢(5)にある鉄鋼の焼結炉などで、設備ごとに主流方式が違う点を取り違えないことが要点です。
覚え方
- セメントのSOxは原料のアルカリ分(石灰質)が取り込む。
- 石炭火力=湿式石灰石こう法、ごみ焼却=アルカリ剤、焼結炉=活性炭・活性コークスの乾式。
- 設備ごとに主流のSOx対策が違う点に注意。
理解度チェック
Q.
セメント製造でSOxが取り込まれる主なしくみは?
原料である石灰石などのアルカリ性成分がSOxを吸収・固定します。専用の活性炭乾式吸着が主体ではありません。
Q.
石炭火力発電所で一般的なSOx除去方式は?
安価な石灰石を使う湿式石灰石こう法です。副生する石こうは資源として利用されます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月