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令和7年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問10を解説|製紙工場の排水

令和7年度 大規模水質特論 問10は、製紙工場の製造工程と排水処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

製紙のパルプ化では、蒸解工程で木材繊維を固めるリグニンを分解し、白液(水酸化ナトリウムと硫化ナトリウム)で処理して黒液を生じ、漂白工程で残ったリグニンを取り除きます。引っかけの核心は、漂白方式ECFの意味です。ECFはElemental Chlorine Free=無塩素(元素状塩素を使わない)漂白で、塩素ガスの代わりに二酸化塩素を用います。選択肢(4)は「塩素ガスを用いて分解する」と書いて、ECFの定義そのものと矛盾させています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)蒸解工程では、木材繊維同士を固めているリグニンが分解されます。正しい記述です。
(2)○(正しい)蒸解に用いる白液は、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混合溶液です。正しい記述です。
(3)○(正しい)黒液には可溶化したリグニンとヘミセルロース、蒸解に用いたナトリウムと硫黄が含まれます。正しい記述です。
(4)×(誤り)ECF漂白は塩素ガスを使わず二酸化塩素を用います。「塩素ガスを用いて」とする点が誤りです。
(5)○(正しい)BOD負荷を減らすため、漂白工程へのリグニンなど不純物の持ち込みを減らすことが重要です。正しい記述です。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

ECFはElemental Chlorine Free、つまり元素状の塩素ガスを使わない漂白方式です。塩素ガス漂白は排水中に有機塩素化合物を生じやすいため、これを避けて二酸化塩素を漂白剤に用いるのがECFの狙いです。選択肢(4)は、木材繊維に残ったリグニンをアルカリ性・加圧条件下で分解するという工程の説明に、「塩素ガスを用いて」という無塩素漂白と正反対の薬剤を当てはめている点が誤りです。ECFで使うのは塩素ガスではなく二酸化塩素です。

覚え方

  • ECFはElemental Chlorine Free=塩素ガス不使用。使うのは二酸化塩素。
  • 白液=水酸化ナトリウム+硫化ナトリウム。黒液=可溶化リグニン+ヘミセルロース+Na・硫黄。

理解度チェック

Q.

ECF漂白で使う薬剤は塩素ガス?

いいえ。ECF(Elemental Chlorine Free)は塩素ガスを使わず、二酸化塩素を用いる無塩素漂白です。

Q.

蒸解に用いる白液の成分は?

水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混合溶液です。木材繊維を固めるリグニンを分解します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF