令和3年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問4を解説|溶存酸素の計算式
令和3年度 大規模水質特論 問4は、生態系モデルで海水中の溶存酸素を計算する式に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
海水中の溶存酸素は、大気からの供給と、生物の働きによる供給・消費で増減します。有機物の分解や生物の呼吸で酸素が減り、植物プランクトンの光合成で酸素が増えます。引っかけの核心は、大気から水へ入る酸素(再曝気)の駆動力を何の差でとらえるかです。大気から溶け込む酸素の量は、飽和酸素濃度と今その水にある溶存酸素濃度との差に比例します。選択肢(1)はこれを「飽和酸素濃度と大気中の酸素濃度の差」としており、比べる相手を取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 大気からの供給量は、飽和酸素濃度と水中の溶存酸素濃度の差で決まります。「大気中の酸素濃度」との差とする点が誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | 懸濁体有機物が分解されるときに酸素が消費されます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 植物プランクトンの光合成によって酸素が供給されます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 動物プランクトンの呼吸によって酸素が消費されます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 植物プランクトンも呼吸をするため、その分の酸素は消費されます。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
大気から水へ酸素が溶け込む「再曝気」の量は、水がまだ受け入れられる余地が大きいほど多くなります。その余地は、飽和酸素濃度(その水温・塩分で溶けきる上限)から今その水にある溶存酸素濃度を引いた差、つまり「あとどれだけ溶けられるか」で表されます。選択肢(1)はこの差を「飽和酸素濃度と大気中の酸素濃度の差」としており、比べる相手を水中の溶存酸素ではなく大気中の酸素にすり替えている点が誤りです。水がすでに飽和に近ければ差は小さく供給は減り、酸素が足りない水ほど差が大きく供給は増える、という関係を押さえます。
覚え方
- 大気からの酸素供給=飽和酸素濃度と水中の溶存酸素濃度の差に比例。相手は大気の濃度ではない。
- 酸素を減らす=有機物分解・呼吸(動植物とも)。増やす=光合成。
理解度チェック
大気から水への酸素供給量は何の差で決まる?
飽和酸素濃度とその水の溶存酸素濃度の差で決まります。差が大きいほど供給が増えます。大気中の酸素濃度との差ではありません。
植物プランクトンは酸素を供給するだけ?
いいえ。光合成で酸素を供給する一方、呼吸では酸素を消費します。両方が計算に含まれます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月