令和2年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問1を解説|海域の溶存酸素
令和2年度 大規模水質特論 問1は、海域における溶存酸素(DO)のふるまいに関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
海域の溶存酸素は、光合成による供給、呼吸や有機物分解による消費、大気との交換といった出入りで決まります。増える方向(光合成・大気からの供給)と減る方向(呼吸・分解)を取り違えないことが要点です。引っかけの核心は、生物の遺骸や有機物の破片であるデトリタスの分解が酸素を「増やす」か「減らす」かです。分解とは有機物が微生物に酸化される過程なので、酸素は消費されます。選択肢(5)はこれを「生成される」と逆に書いています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 底層の溶存酸素量は2016年に生活環境の保全に関する環境基準の項目へ加えられました。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 植物プランクトンは光合成で酸素を供給し、呼吸では酸素を使います。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 大気とのやり取りは、飽和酸素量と実際の溶存酸素量の差に再曝気係数を掛けて見積もれます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 底層にたまった貧酸素水塊が湧き上がると青潮の原因になります。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | デトリタスの分解は有機物の酸化なので酸素を消費します。「生成される」とした点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
デトリタスとは、枯死した植物プランクトンや生物の遺骸などが砕けた有機物の粒です。これが海底や水中で微生物によって分解される過程は、有機物を酸素で酸化してエネルギーを得る反応であり、まわりの溶存酸素を消費します。つまり分解が進むほど水中の酸素は減り、これが底層の貧酸素化を招く一因になります。選択肢(5)は、酸素を減らす向きの現象を「酸素が生成される」と増減を逆に述べている点が誤りです。酸素を生み出すのは、あくまで植物プランクトンなどの光合成です。
覚え方
- 有機物(デトリタス)の分解=酸素を消費。酸素を生むのは光合成だけ。
- 貧酸素水塊の湧き上がり=青潮の原因。
- 底層DOは2016年に生活環境項目へ追加。
理解度チェック
Q.
デトリタスの分解は水中の酸素を増やす?減らす?
減らします。有機物を酸素で酸化する過程なので酸素は消費されます。酸素を供給するのは光合成です。
Q.
青潮はどんな仕組みで起きる?
底層にできた貧酸素水塊が湧き上がることで生じます。溶存酸素の不足が引き金です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月