令和元年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問6を解説|濃縮倍数の計算
令和元年度 大規模水質特論 問6は、開放循環式冷却水系の濃縮倍数に関する計算問題です。蒸発水量1.0%、飛散水量0.1%(いずれも循環水量に対する割合)の条件で、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
開放循環式冷却水では、蒸発した水は塩分を残していくため水が濃くなり、その濃さを表すのが濃縮倍数です。水量のつり合いは「補給水=蒸発+飛散+ブロー」、濃縮倍数は「補給水÷(飛散+ブロー)」で計算できます(蒸発では塩分が出ていかないため)。引っかけの核心はブローと濃縮倍数の向きです。ブローを増やすほど塩分が捨てられて濃縮倍数は下がり、減らすほど上がります。選択肢(4)はこの向きを取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ブロー0.4%のとき、(1.0+0.4+0.1)÷(0.4+0.1)=3。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ブローなしのとき、(1.0+0.1)÷0.1=11。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ブロー1.0%(=蒸発量と同じ)のとき、2.1÷1.1≒1.9。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 濃縮倍数を5以下にするにはブローを0.15%以上にする必要があり、「0.15%未満」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | ブロー0.5%のとき、補給水=1.0+0.5+0.1=1.6%。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
濃縮倍数N は N=(蒸発+飛散+ブロー)÷(飛散+ブロー) で計算します。ブロー量をB(%)とすると N=(1.0+B+0.1)÷(B+0.1) です。N を5以下にする条件を解くと、1.1+B ≦ 5×(B+0.1)=5B+0.5 となり、整理すると 0.6 ≦ 4B、すなわち B ≧ 0.15 です。つまり濃縮倍数を5以下に抑えるには、ブローを0.15%以上に増やさなければなりません。ブローを増やすほど塩分が捨てられて濃縮倍数は下がるためです。選択肢(4)は「0.15%未満にしなければならない」と、ブロー量の向きを逆に述べている点が誤りです。
覚え方
- 濃縮倍数=補給水 ÷(飛散+ブロー)。補給水=蒸発+飛散+ブロー。
- ブローを増やすと濃縮倍数は下がる(塩分を捨てる)。減らすと上がる=向きを固定して覚える。
理解度チェック
ブローを増やすと濃縮倍数はどうなる?
下がります。ブローで塩分を系外へ捨てるためです。濃縮倍数を下げたいときはブローを増やします。
ブローをしない場合の濃縮倍数は?(蒸発1.0%・飛散0.1%)
(1.0+0.1)÷0.1=11 です。塩分の逃げ道が飛散だけになるため、濃縮倍数は最大になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月