令和5年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問1を解説|空気力学的粒子径
令和5年度 ばいじん・一般粉じん特論 問1は、球形粒子の空気力学的粒子径を求める計算問題です。粒子の密度と幾何学的な粒子径がわかっているとき、空気力学的粒子径がおよそいくらになるかを選びます。
この問題のポイント
空気力学的粒子径とは、その粒子と同じ沈降速度をもつ「密度1000 kg/m³(水と同じ基準密度)の球」の直径として定義される値です。実際の粒子径に密度比の平方根を掛ければ求まり、基準より密度が大きい粒子ほど空気力学的粒子径は大きくなります。分かれ目は、密度比をそのまま掛けるのか、その平方根を掛けるのかという1点で、ここを取り違えると答えが大きくずれます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 約1.9は、幾何径を密度比3で割った値です。掛けるべきところを割った操作で、向きが逆です。 |
| (2) | ×(誤り) | 約3.3は、幾何径を密度比の平方根√3で割った値です。平方根を掛けるべきところを割っています。 |
| (3) | ○(正しい) | 5.8×√3≒10。密度比の平方根を掛けた正しい値で、これが空気力学的粒子径です。 |
| (4) | ×(誤り) | 約17は、密度比3をそのまま掛けた値です。平方根にしていないため大きくなりすぎます。 |
| (5) | ×(誤り) | 約52は、密度比の2乗(9倍)を掛けた値です。指数を取り違えています。 |
計算の流れ(選択肢(3)を導く)
空気力学的粒子径 da は、幾何学的粒子径 dp に「粒子密度÷基準密度(1000 kg/m³)」の平方根を掛けて求めます。この問題では da=5.8×√(3000/1000)=5.8×√3 となり、√3≒1.73 なので 5.8×1.73≒10 μm です。ここで密度比3をそのまま掛けて17としたり、逆に割って小さくしたりするのが典型的な失点で、掛けるのは「密度比の平方根」だと固定して覚えます。
覚え方
- 空気力学的粒子径=幾何径×√(密度比)。基準密度は1000 kg/m³(水)。
- 密度が大きい粒子ほど空気力学的粒子径は大きい。向きを取り違えない。
- 掛けるのは密度比そのものでなく平方根。√3≒1.73。
理解度チェック
Q.
空気力学的粒子径は、幾何学的粒子径に何を掛けて求める?
密度比の平方根です。粒子密度を基準密度1000 kg/m³で割り、その平方根を幾何径に掛けます。
Q.
密度3000 kg/m³・粒子径5.8 μmの球形粒子の空気力学的粒子径はおよそ何μm?
約10 μmです。5.8×√(3000/1000)=5.8×√3≒5.8×1.73≒10 μmになります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月