令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問4を解説|サイクロンの特性
令和3年度 ばいじん・一般粉じん特論 問4は、サイクロン(遠心力集じん装置)の特性に関する問題です。圧力損失や入口ガス速度、装置内の旋回流の記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
サイクロンは、接線から高速で入ったガスを旋回させ、遠心力でダストを外壁側へ振り分ける装置です。圧力損失は入口ガス速度の2乗に比例し、実務では0.8~1.5 kPa 程度、入口速度は7~20 m/s 程度に収めます。ダスト濃度が高いと圧力損失がやや下がる傾向も特徴です。引っかけの核心は装置内の旋回流の呼び方で、外周側と中心側でどちらが準自由渦・強制渦かを取り違えないことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ダスト濃度が高くなると圧力損失が減少する傾向があります。粒子群がガスの旋回運動を抑える働きによるもので、正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 圧力損失はおおむね0.8~1.5 kPa の範囲で計画・設計されます。実務的な目安どおりで、正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 圧力損失は入口ガス速度の2乗に比例します。速度を上げると圧力損失が急に増える関係で、正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 入口ガス速度はおおむね7~20 m/s の範囲にとられます。遠心力を確保しつつ圧力損失を抑える目安で、正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 内外が逆です。外環部の流れは準自由渦、渦芯部の流れは強制渦といわれます。「外環部が強制渦、渦芯部が準自由渦」は誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
サイクロン内の旋回流は、外周と中心で性質が異なります。外周側の外環部は準自由渦で、中心へ近づくほど周速が速くなります。一方、中心の渦芯部は強制渦で、剛体のように回り、中心ほど周速が遅くなります。選択肢(5)はこの内外を入れ替え、外環部を強制渦、渦芯部を準自由渦と書いた誤りです。「外は準自由・中心は強制」と覚えると混同しません。
覚え方
- サイクロンの渦は外は準自由渦・中心は強制渦。
- 圧力損失は入口ガス速度の2乗に比例。速度を上げると急増。
- 入口速度7~20 m/s、圧力損失0.8~1.5 kPa。ダスト濃度が高いと圧力損失は下がり気味。
理解度チェック
Q.
サイクロンの外環部と渦芯部は、それぞれどんな渦?
外環部は準自由渦、渦芯部(中心)は強制渦です。外は中心へ近づくほど速く、中心は剛体回転のように回ります。
Q.
入口ガス速度を2倍にすると、圧力損失はどうなる?
およそ4倍になります。圧力損失は入口ガス速度の2乗に比例するためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月