公害防止管理者 独学ノート

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令和5年度 公害防止管理者 大気特論 問9を解説|排煙脱硫装置の維持管理

令和5年度 大気特論 問9は、排煙脱硫装置(石灰スラリー吸収法)の維持管理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

石灰スラリー吸収法は、石灰のスラリー(懸濁液)で排ガス中の二酸化硫黄(SO2)を吸収し、空気を吹き込んで酸化させ、最終的に石こうとして回収する湿式脱硫の代表的な方式です。維持管理ではスケール(固形物)の付着・閉塞や、酸化用空気の不足によるトラブルが定番論点になります。この問題の分かれ目は、吸収液のpHと脱硫率の関係をどちら向きに書いているかです。SO2は酸性ガスなので、吸収液がアルカリ側(pHが高い)であるほど中和・吸収が進み、脱硫率は上がる方向に働きます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)固形物が付着して流路が狭くなると、排ガスが通りにくくなり通風圧力損失が増えます。スケール付着の典型的な悪影響で正しい記述です。
(2)×(誤り)pHが高い(アルカリ側)ほど酸性ガスのSO2はよく吸収され脱硫率は上がります。「pHが高くなると脱硫率が下がる」とした向きが誤りです。
(3)○(正しい)酸化反応用の空気ノズルはスケールが成長して閉塞しやすい箇所です。点検・対策の対象になる正しい記述です。
(4)○(正しい)空気供給流量が低下すると、結晶粒子を含む吸収液がノズル側へ逆流する原因になります。運転管理上注意すべき正しい記述です。
(5)○(正しい)空気不足で酸化反応速度が落ちると、亜硫酸塩が石こうまで酸化されず残留します。酸化不足の典型的な結果で正しい記述です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

SO2は水に溶けて亜硫酸となる酸性ガスです。これをアルカリである石灰分で中和・吸収するのが石灰スラリー吸収法の原理なので、吸収液がアルカリ側に保たれている(pHが高い)ほど吸収反応は進み、脱硫率は上がる方向になります。選択肢(2)は「pHが高くなると脱硫率が下がる」と向きを逆に書いている点が誤りです。pHを下げすぎる(酸性側に振れる)と吸収力が落ちて脱硫率が下がるのが正しい関係で、設問は因果の向きを取り違えさせる引っかけになっています。

覚え方

  • 酸性ガスSO2アルカリ側(pH高め)でよく吸収=pHが高い方が脱硫率は上がる。
  • スケール付着=流路が狭くなり通風圧力損失が増大。空気ノズルは閉塞しやすい。
  • 酸化用空気の不足=亜硫酸塩が残留し、吸収液の逆流も招く。

理解度チェック

Q.

石灰スラリー吸収法で、吸収液のpHが高くなると脱硫率はどうなる?

上がります。SO2は酸性ガスなので、吸収液がアルカリ側(pHが高い)ほど中和・吸収が進みます。

Q.

酸化反応用の空気が不足すると、吸収液中に何が残る?

亜硫酸塩が残留します。空気不足で酸化反応速度が落ちると、石こうまで酸化されきらないためです。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF

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