令和3年度 公害防止管理者 大気特論 問13を解説|SOx体積濃度の計算
令和3年度 大気特論 問13は、吸収液をイオンクロマトグラフで分析した硫酸イオン濃度からSOxの体積濃度(ppm)を求める計算問題です。5つの数値から選びます。
この問題のポイント
手順は、(1)空試験の値を差し引いて正味の硫酸イオン濃度を出し、(2)フラスコの液量を掛けて硫酸イオンの質量を求め、(3)モル質量で物質量に直し、(4)標準状態の体積(1molで22.4L)に換算して、(5)採取した乾き試料ガス量で割ってppmにする、という流れです。硫酸イオン1molはSO2(SOx)1molに対応するので、両者の物質量は等しく扱えます。この流れで計算すると、体積濃度はおよそ300ppmになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 200ppmは計算値より小さく、合いません。 |
| (2) | ×(誤り) | 250ppmも計算値には届きません。 |
| (3) | ○(正しい) | 手順どおり計算するとおよそ300ppmとなり、一致します。 |
| (4) | ×(誤り) | 350ppmは計算値より大きく、合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | 400ppmはさらに大きく、一致しません。 |
選択肢(3)のポイント(計算の手順)
- 正味の硫酸イオン濃度=0.051−0.001=0.050mg/mL(空試験の分を差し引く)。
- 硫酸イオンの質量=0.050mg/mL×250mL=12.5mg(全量フラスコの液量を掛ける)。
- 物質量=12.5mg÷96(硫酸イオンのモル質量)≒0.13mmol。SO2も同じ物質量です。
- 標準状態の体積=0.13mmol×22.4mL/mmol≒2.9mL。
- 体積濃度=2.9mL÷9700mL(乾き試料ガス9.70L)≒3.0×10−4=約300ppm。
硫酸イオン1molがSO2(SOx)1molに対応する点と、体積は標準状態で「1molあたり22.4L」に換算する点を外さなければ、迷わず約300ppmにたどり着きます。
覚え方
- まず空試験を差し引く。正味の硫酸イオンだけを使う。
- 硫酸イオン1mol=SO2 1mol。物質量は等しい。
- 体積換算は標準状態で22.4L/mol。最後に試料ガス量で割ってppm。
理解度チェック
Q.
硫酸イオン濃度からSOx量を出すとき、空試験の値はどう扱う?
測定値から差し引きます。試薬などに由来する分を除き、正味の硫酸イオンだけを使うためです。
Q.
硫酸イオンの物質量とSO2の物質量の関係は?
硫酸イオン1molはSO2 1molに対応するので、物質量は等しく扱えます。これを標準状態の体積に換算します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月