令和7年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問18を解説|パスキルの拡散幅
令和7年度 大気関係技術特論 問18は、パスキルの拡散幅σy・σzに関する問題です。拡散幅の決め方や適用条件についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
パスキルの拡散幅は、実験と理論をもとに、風下距離の関数として与えられた広がりの目安です。ただし、これは特定の地表条件を前提にした値なので、条件が違う場所ではそのまま使えず補正がいります。分かれ目は、この前提となる地表面の状態と、市街地への当てはめ方で、開けた土地向けの値を市街地にそのまま使えるとした記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | σy・σz は、トレーサー実験の結果と理論的推定に基づいて決められています。 |
| (2) | ○(正しい) | σy は平均化時間3 分の値で、1 時間平均濃度の算出に用いる際には補正が必要です。 |
| (3) | ×(誤り) | σz は開けた地表面を前提とした値で、市街地などにはそのまま適用できず補正が必要なため、誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | σy・σz は、煙源からの風下距離の関数として近似できます。 |
| (5) | ○(正しい) | 拡散幅の推定に必要な大気安定度は、地上風速と日射量・雲量の組合せで分類されます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
σz が地表面粗度長1 m 程度の場所の値で市街地などにもそのまま適用できるとした点が誤りです。パスキルの拡散幅は、もともと開けた田園地帯のような、地表面の粗度がずっと小さい場所を前提に決められた値です。建物などで地表面が粗い市街地では広がり方が変わるため、そのまま当てはめることはできず、補正が必要になります。前提となる地表条件を粗く見積もり、そのうえで市街地にそのまま使えるとした二重の食い違いがひっかけです。
覚え方
- パスキルの拡散幅=開けた田園地帯が前提。
- 市街地はそのまま使えない=補正が必要。
- σy は平均化時間3 分の値、1 時間平均には補正。
理解度チェック
Q.
パスキルの拡散幅を市街地にそのまま使えないのはなぜ?
もともと開けた地表面を前提とした値で、建物などで粗い市街地では広がり方が変わり補正が必要なためです。
Q.
拡散幅の推定に必要な大気安定度は何で分類する?
地上風速と日射量・雲量の組合せによって分類します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月