令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問10を解説|微粉炭燃焼ダストの特性
令和6年度 大気関係技術特論 問10は、微粉炭燃焼ボイラーで発生するダスト(フライアッシュ)の特性に関する問題です。ダスト濃度・粒子径・組成・電気抵抗率についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石炭を微粉にして燃やすボイラーでは、灰分が高温で溶けて微小な灰粒子となり、これが排ガスとともに飛び出してダストになります。分かれ目は「粒子の形と大きさの関係」です。高温で溶融して表面張力で丸くなるのは細かい粒子で、粒径が大きい粒子ほど溶け残りや形の崩れがあり、なめらかな球にはなりにくくなります。「粒径が大きいものほどきれいな球状」と読ませるのが引っかけです。灰分量とダスト濃度の関係、主成分の酸化物、見掛け電気抵抗率のおよその範囲は、いずれも実際の値と向きが合っているかで判断します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 灰分が多い石炭ほど生成する灰も多くなるため、排ガス中のダスト濃度は高くなります。 |
| (2) | ○(正しい) | 粒子の大きさはボイラーや粉砕機の構造、石炭の種類、燃焼・操業条件によって変わります。 |
| (3) | ×(誤り) | きれいな球状になるのは溶融した細かい粒子で、粒径が大きい粒子ほど不規則な形になります。向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | ダストの主成分は二酸化けい素(SiO2)や酸化アルミニウム(Al2O3)で、石炭灰の組成に対応します。 |
| (5) | ○(正しい) | 見掛け電気抵抗率はおよそ108~1011 Ω・mの範囲にあり、電気集じんの効きやすさに関わります。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
微粉炭が高温の火炎中で燃えると、石炭に含まれる灰分が溶融します。溶けた微小な灰は表面張力で丸くまとまり、冷えて球状のフライアッシュになります。球になりやすいのは小さい粒子のほうで、粒径が大きい粒子は内部まで溶けきらず、溶け残りや形のくずれを含んで不規則な形になりがちです。したがって「粒子径が45 μm以上の大きな粒子ほどきれいな球状」という記述は、球になりやすさの向きが実際と逆で誤りです。
覚え方
- 球状になるのは溶融した細かい粒子。大きい粒子ほど不規則な形。
- 灰分が多い石炭ほどダスト濃度は高い。
- フライアッシュの主成分はSiO2とAl2O3。見掛け電気抵抗率は108~1011 Ω・m程度。
理解度チェック
微粉炭燃焼のダストで、なめらかな球状になりやすいのは大きい粒子と小さい粒子のどちら?
小さい粒子です。高温で溶融した細かい粒子が表面張力で丸くなり、粒径の大きい粒子は不規則な形になりやすくなります。
石炭中の灰分が多いと、排ガス中のダスト濃度はどうなる?
高くなります。燃焼で生じる灰の量が増えるため、そのままダスト濃度の上昇につながります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月