令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問4を解説|石灰スラリー吸収法とpH
令和6年度 大気関係技術特論 問4は、石灰スラリー吸収法による排煙脱硫に関する穴埋め問題です。文中のア~ウに入る語句の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
石灰スラリー吸収法では、吸収液のpHが脱硫率を左右します。吸収液のpHが低くなると、化学平衡の関係で気液接触部の液に接する排ガスのSO2分圧が高くなり、SO2を吸収しきれず脱硫率が下がります。そこで、吸収剤(石灰)の供給量を調整してpHが6近傍に保たれるように運転します。分かれ目は、pHの向き(低くなる)とSO2分圧の向き(高くなる)が逆の関係になる点と、目標pHが「6近傍」であって「4以下」ではない点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 低く | 吸収液のpHが低くなると吸収能力が落ちます。 |
| イ | 高く | 液に接する排ガスのSO2分圧が高くなり、脱硫率が下がります。 |
| ウ | 6近傍 | この付近になるよう吸収剤供給量を調整します。 |
ここが分かれ目
SO2はアルカリ側でよく吸収されます。吸収液のpHが低くなると液の吸収能力が落ち、化学平衡の関係で液に接する排ガス側のSO2分圧が高くなる、つまりガス中にSO2が残りやすくなって脱硫率が下がります。ここでpHとSO2分圧を同じ向き(両方とも高く/両方とも低く)に読むと誤りで、実際は逆向きです。対策として吸収剤の供給量を増減し、pHを6近傍に保ちます。目標を「4以下」とすると酸性に寄りすぎて脱硫率が下がってしまうため、ウには当てはまりません。
覚え方
- pHが下がるとSO2分圧が上がり脱硫率が下がる(逆向きの関係)。
- SO2吸収はアルカリ側が有利。狙うpHは6近傍。
- 吸収剤供給量でpHを調整し、酸性に振り過ぎない。
理解度チェック
Q.
吸収液のpHが低くなると、排ガス側のSO2分圧と脱硫率はそれぞれどうなる?
SO2分圧は高くなり、脱硫率は下がります。pHとSO2分圧は逆向きの関係です。
Q.
石灰スラリー吸収法では、吸収液のpHをどのあたりに保つよう調整する?
6近傍です。吸収剤(石灰)の供給量を調整して、脱硫率が下がらないpHに保ちます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月