令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問20を解説|ごみ焼却設備と大気汚染物質
令和3年度 大気関係技術特論 問20は、ごみ焼却設備で発生する物質やその対策に関する問題です。記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ごみ焼却では、ごみに含まれる塩素・硫黄・窒素などから塩化水素・硫黄酸化物・一酸化二窒素といったさまざまな物質が生じ、それぞれに応じた排ガス対策がとられます。とくにダイオキシン類対策では、生成しやすい温度域を避けるため集じん設備の選び方が大きく変わったことを押さえておくのが基本です。分かれ目は、ダイオキシン類の発生防止ガイドライン以降に主流となった集じん設備が何かで、電気集じん装置とバグフィルターを取り違えさせる記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 無機塩素化合物が焼却されると、高温域で塩化水素(HCl)が発生します。 |
| (2) | ○(正しい) | 加硫ゴムは硫黄を含むため、焼却すると硫黄酸化物(SOx)が発生します。 |
| (3) | ○(正しい) | 一酸化二窒素(N2O)は温室効果をもち、地球温暖化の原因物質の一つです。 |
| (4) | ○(正しい) | バグフィルターの操作温度を下げると水銀が固まりやすく捕集されやすいので、水銀の除去に有効です。 |
| (5) | ×(誤り) | ガイドライン制定後の集じん設備はバグフィルターが主流です。電気集じん装置が主流とした点が逆です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類発生防止ガイドライン制定後に集じん設備として電気集じん装置が主流となったという点が誤りです。電気集じん装置は300℃前後の高温域で運転されることが多く、この温度帯はダイオキシン類が生成(再合成)しやすいため、ダイオキシン類対策としては不利です。そのためガイドライン以降は、集じん温度を低く抑えて運転できるバグフィルターが主流となりました。電気集じん装置とバグフィルターのどちらが主流になったかを入れ替えて読ませるのが、この問題のひっかけです。
覚え方
- ダイオキシン対策後の集じんはバグフィルターが主流(電気集じん装置ではない)。
- 電気集じん装置の高温運転はダイオキシン再合成を促すので不利。
- バグフィルターは低温化で水銀の除去にも有効。
理解度チェック
ダイオキシン類対策で電気集じん装置が不利なのはなぜ?
高温域で運転されることが多く、その温度帯はダイオキシン類が生成(再合成)しやすいからです。そのためバグフィルターが主流になりました。
バグフィルターの温度を下げると水銀除去に有効なのはなぜ?
温度が低いほど水銀が固まりやすく捕集されやすくなるためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月