令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問7を解説|硫黄酸化物の分析方法
令和3年度 大気関係技術特論 問7は、JISによる排ガス中の硫黄酸化物の分析方法に関する問題です。挙げられた分析法のうち、硫黄酸化物の方法として誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排ガス中の硫黄酸化物は、吸収液に捕らえて硫酸イオンにしてから、滴定や機器分析で量を求めます。イオンクロマトグラフ法、沈殿滴定法、中和滴定法、比濁法はいずれも硫酸イオンをとらえる方法として位置づけられています。分かれ目は、選択肢の中に硫黄ではなく窒素酸化物を測るための方法が1つ紛れている点です。ナフチルエチレンジアミン(NEDA)を使う発色反応は、亜硝酸イオンを介してNOxを比色定量する方法で、硫黄酸化物の分析には使いません。分析対象がSOxかNOxかで見分けます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | イオンクロマトグラフ法は、硫酸イオンを分離・定量できる硫黄酸化物の分析法です。 |
| (2) | ○(正しい) | 沈殿滴定法(アルセナゾⅢ法)は、硫酸イオンを滴定で求める方法として用いられます。 |
| (3) | ○(正しい) | 中和滴定法は、生成した酸を中和して硫黄酸化物量を求める方法です。 |
| (4) | ○(正しい) | 比濁法(光散乱法)は、硫酸イオンの沈殿の濁りから濃度を求める硫黄酸化物の方法です。 |
| (5) | ×(誤り) | ナフチルエチレンジアミン法(NEDA法)は窒素酸化物の分析法で、硫黄酸化物の方法ではありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
選択肢(5)の「ナフチルエチレンジアミン法(NEDA法)」は、硫黄酸化物ではなく窒素酸化物を測るための方法です。NEDAはナフチルエチレンジアミンという発色試薬で、亜硝酸イオンと反応して赤紫色の色素を作ります。これを比色して定量するため、NOxの分析に使われます。硫黄酸化物の分析は、いずれも硫黄を硫酸イオンとしてとらえる系(イオンクロマト・沈殿滴定・中和滴定・比濁)です。発色試薬の名前が出てきたら、それが硫黄用か窒素用かを確認すると、この紛れ込みを見抜けます。
覚え方
- 硫黄酸化物の分析は硫酸イオンをとらえる系(イオンクロマト・沈殿滴定・中和滴定・比濁)。
- NEDA法(ナフチルエチレンジアミン)は窒素酸化物用。SOxの問題では誤り。
- 発色試薬の名前は、対象がSOxかNOxかを紐づけて覚える。
理解度チェック
NEDA法(ナフチルエチレンジアミン法)は、何を測る方法?
窒素酸化物です。亜硝酸イオンとの発色反応を利用した比色定量で、硫黄酸化物用ではありません。
硫黄酸化物の分析では、硫黄を何のかたちでとらえる?
硫酸イオンです。吸収液で捕集して硫酸イオンにし、滴定や機器分析で量を求めます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月