令和元年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問2を解説|スラッジ処理と資源回収
令和元年度 水質有害物質特論 問2は、重金属等の排水処理で発生するスラッジ(汚泥)の処理と資源回収に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
重金属スラッジは、固化して溶出を防いだり、焼結・製錬して有価金属を回収したりします。ここで問われる引っかけは、焼結処理におけるクロムの挙動です。クロムは三価では水に溶けにくい一方、六価に酸化されると水に溶けやすくなります。焼結のような高温・酸化的な条件ではクロムが六価へ酸化されて溶け出すおそれがあり、選択肢(2)が「還元されて」溶けやすくなると酸化・還元の向きを逆に書いている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | コンクリート固化法では有害物質の溶出防止が完全でない場合があり、正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | クロムは酸化されて六価になると水に溶けやすくなります。「還元されて」溶けやすくなるとする向きが誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 銅めっきや銅箔製造排水のスラッジは、銅製錬炉で還元して資源回収でき、正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 含ふっ素排水から得たふっ化カルシウムスラッジは、ふっ酸製造工場で再資源化でき、正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 有価金属の回収では、脱水スラッジの含水率を下げることが重要で、正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
クロムの溶けやすさは酸化数で大きく変わります。三価クロムは水酸化物として沈み溶けにくいのに対し、六価クロムはイオンとして水に溶けやすく、毒性も問題になります。焼結処理のような高温で酸素にさらされる条件では、三価クロムが酸化されて六価に変わり、かえって溶け出すおそれがあります。選択肢(2)はこれを「還元されて」溶けやすくなると述べており、酸化と還元の向きを取り違えている点が誤りです。「溶けやすい=六価=酸化された側」とセットで覚えます。
覚え方
- クロムは六価が溶けやすく、三価は溶けにくい。
- 焼結など酸化的条件は六価を生む=溶出リスク。安定化とは限らない。
- スラッジは固化で溶出防止、製錬・焼結で有価金属回収。
理解度チェック
Q.
クロムが水に溶けやすくなるのは三価と六価のどちら?
六価クロムです。三価は水酸化物として溶けにくく、酸化されて六価になると溶けやすくなります。
Q.
有価金属を回収するとき、脱水スラッジで下げたい指標は?
含水率です。水分を減らすことで回収効率や取り扱いがよくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月