令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問20を解説|製鉄所の工程別排水
令和4年度 水質関係技術特論 問20は、製鉄所の工程別排水のうち、フェノール・アンモニア・シアンが汚染物質として排出されるものを選ぶ問題です。当てはまるものを選びます。
この問題のポイント
製鉄所ではコークスを作る際、石炭を蒸し焼き(乾留)にしてコークス炉ガスを回収します。このガスからアンモニアを回収する過程で生じるアンモニア含有水が「安水」で、その使用済みの排水が廃安水です。廃安水にはフェノール・アンモニア・シアンといった有機・窒素系の汚染物質がまとまって含まれます。高炉・熱延・めっき・冷延の各排水とは汚染物質の顔ぶれが違うので、この三つがそろう組合せを手掛かりに廃安水を選びます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(該当せず) | 高炉排水は主にダスト由来の懸濁物質などで、この三物質そろいの組合せではありません。 |
| (2) | ○(該当) | 廃安水はコークス炉系の排水で、フェノール・アンモニア・シアンを含みます。これが正解です。 |
| (3) | ×(該当せず) | 熱延直接冷却水は主にスケールや油分などで、この組合せではありません。 |
| (4) | ×(該当せず) | めっき排水は重金属や酸などが主で、この組合せではありません。 |
| (5) | ×(該当せず) | 冷延排水は油分や重金属などが主で、この組合せではありません。 |
選択肢(2)のポイント(正解の根拠)
コークス製造では、石炭を乾留してコークスとコークス炉ガスを得ます。このガスからアンモニアを回収する過程で生じるアンモニア含有水が「安水」で、その排水が廃安水です。廃安水にはフェノール・アンモニア・シアン(チオシアンを含むこともある)といった汚染物質が集中するのが特徴です。高炉排水はダスト由来の懸濁物質、めっき・冷延排水は重金属や油分が主で、この三つがそろい踏みになるのはコークス炉系の廃安水だけです。汚染物質の組合せから工程を見分けるのがこの問題のねらいです。
覚え方
- フェノール・アンモニア・シアンそろいは廃安水(コークス炉系)。
- 安水=コークス炉ガスからのアンモニア含有水、その排水が廃安水。
- 高炉=懸濁物質、めっき・冷延=重金属・油分で顔ぶれが違う。
理解度チェック
Q.
フェノール・アンモニア・シアンを含む製鉄所排水は?
廃安水です。コークス炉ガスからアンモニアを回収する過程で生じる排水です。
Q.
高炉排水やめっき排水の主な汚染物質は?
高炉排水はダスト由来の懸濁物質、めっき排水は重金属や酸が主で、廃安水とは顔ぶれが違います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月