令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問20を解説|製鉄所の排水
令和3年度 水質関係技術特論 問20は、製鉄所の製造工程別排水と主な汚染物質の組合せに関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
製鉄所は工程ごとに排水の性質が違います。コークス炉の廃安水はフェノールやアンモニア、高炉排水や熱間圧延の直接冷却水は酸化鉄(スケール)、めっき排水は六価クロムを含みます。引っかけの核心は酸洗・アルカリ洗浄排水の中身です。鋼材表面の酸化スケールを塩酸や硫酸で溶かす酸洗では、排水に強い酸と溶け出した鉄分が多く含まれます。ここに「アンモニア」を結び付けるのが誤りで、アンモニアは廃安水(コークス炉系)側の物質です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | コークス炉の廃安水はフェノールやアンモニアを含みます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 高炉排水は酸化鉄(鉄分)を主な汚染物質とします。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 熱延の直接冷却水は圧延で生じる酸化鉄(スケール)を含みます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 酸洗・アルカリ洗浄排水の主な汚染物質をアンモニアとする点が誤りです。主体は酸と溶け出した鉄分です。 |
| (5) | ○(正しい) | めっき排水は六価クロムを含むことがあります。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
酸洗は、鋼材表面の酸化被膜(スケール)を塩酸や硫酸で溶かす工程です。その排水には、使い切れなかった遊離した酸と、スケールから溶け出した鉄分(鉄イオン)が多く含まれ、処理では中和と鉄分の沈殿除去が要点になります。選択肢(4)はこの排水の主な汚染物質を「アンモニア」としている点が誤りで、アンモニアはコークス炉の廃安水側を代表する物質です。
覚え方
- 酸洗排水=酸と鉄分(アンモニアではない)。
- 廃安水=フェノール・アンモニア(コークス炉系)。
- 高炉・熱延冷却=酸化鉄、めっき排水=六価クロム。
理解度チェック
Q.
酸洗排水の主な汚染物質は?
酸と溶け出した鉄分です。スケールを酸で溶かす工程のため、遊離酸と鉄イオンが多く含まれます。アンモニアではありません。
Q.
アンモニアやフェノールを主に含む製鉄所排水は?
コークス炉の廃安水です。フェノールとアンモニアを代表的に含みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月