1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 水質関係技術特論
  4. 令和2年
  5. > 問2 加圧浮上法と凝集沈殿法

令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問2を解説|加圧浮上法と凝集沈殿法

令和2年度 水質関係技術特論 問2は、加圧浮上法と凝集沈殿法を比較した正誤問題です。両者の一般的な違いについて、誤っているものを選びます。

この問題のポイント

加圧浮上法は微細な気泡をフロックに付けて浮かせる方法、凝集沈殿法はフロックを重力で沈める方法で、分離の向きが上下で正反対です。浮上速度は沈殿速度より速く、含油排水など軽い成分の分離は加圧浮上が得意ですが、加圧や空気溶解に動力を要するので所要動力は大きく、処理水の澄み具合(濁度の低さ)は凝集沈殿のほうが有利です。分かれ目は分離した汚泥の水分含量で、加圧浮上法の浮上汚泥のほうが水分含量は低い(濃く濃縮される)のが正しい向きです。ここを逆に覚えていると引っかかります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)気泡を付けて浮かせる加圧浮上法のフロック浮上速度は、重力沈降の沈殿速度より大きくなります。正しい記述です。
(2)○(正しい)処理水の濁度は、じっくり沈める凝集沈殿法のほうが低く仕上がります。正しい記述です。
(3)○(正しい)加圧・空気溶解のための設備が要る加圧浮上法は、所要動力が大きくなります。正しい記述です。
(4)×(誤り)分離汚泥の水分含量が凝集沈殿法のほうが低いとする点が誤りです。向きが逆で、加圧浮上法の浮上汚泥のほうが水分含量は低くなります。
(5)○(正しい)軽い油分は気泡と一緒に浮きやすいため、含油排水の処理は加圧浮上法が適しています。正しい記述です。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

加圧浮上法では、微細気泡がフロックに付いて水面へ押し上げ、浮上した汚泥(スカム)を上から掻き取ります。このとき汚泥は水面上で自重により水が抜けやすく、比較的濃く(水分含量が低く)回収できます。一方、凝集沈殿法の沈殿汚泥は槽の底にたまり、上澄みの水を含んだままになりやすく水分含量が高めです。選択肢(4)はこの高低を取り違え、「凝集沈殿法のほうが水分含量が低い」と逆向きに書いている点が誤りです。正しくは加圧浮上法の汚泥のほうが水分含量は低くなります。

覚え方

  • 加圧浮上=上へ浮かせる・動力大・汚泥は濃い(水分低い)。含油排水に向く。
  • 凝集沈殿=下へ沈める・処理水は澄む(濁度低い)・汚泥は水っぽい(水分高い)。
  • 迷ったら「浮上させて掻き取る汚泥は水が切れて濃い」とイメージで方向を固定。

理解度チェック

Q.

分離した汚泥の水分含量が低いのはどちら?

加圧浮上法です。浮上汚泥は水面で水が切れて濃くなり、凝集沈殿の沈殿汚泥より水分含量が低くなります。

Q.

処理水の濁度が低いのはどちら?

凝集沈殿法です。じっくり沈めるため処理水は澄み、濁度が低く仕上がります。

令和2年 水質関係技術特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF