令和6年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問9を解説|脱水
令和6年度 汚水処理特論 問9は、汚泥の脱水に関する正誤問題です。正しいものを選びます。
この問題のポイント
脱水は、処理で生じた含水率の高い汚泥から水を絞り、ケーキにして容積を減らす工程です。前処理の凝集剤、圧縮性のあるケーキでろ過圧力を上げたときの挙動、ヌッチェ試験で求める指標、ろ過助剤の働きなどが問われます。正しいものを選ぶ問題なので、誤りが仕込まれた4つを見抜き、定義どおりの1つを残すのが解き方です。前処理の無機凝集剤として塩化鉄(Ⅲ)や消石灰を使う、という基本どおりの記述が今回の正解になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 沈殿汚泥の固形物濃度を0.1wt%以下とした数値が誤りです。実際はこれよりかなり高い濃度のものが多くなります。 |
| (2) | ○(正しい) | 前処理の無機凝集剤として塩化鉄(Ⅲ)や水酸化カルシウム(消石灰)を用いるのは正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 圧縮性のあるケーキは、ろ過圧力を上げても圧密で目詰まりし、ろ過速度は圧力に比例して大きくはなりません。 |
| (4) | ×(誤り) | ヌッチェ試験で求めるのはろ過時間とろ液量の関係などで、加熱時間と含水率の関係ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | ろ過助剤(ケイ藻土など)は比較的多めに添加して効果を出すため、脱水ケーキの量はその分増えます。 |
選択肢(2)のポイント(ここが正しい)
含水率の高い汚泥をそのまま脱水しようとすると、水がうまく抜けずに目詰まりします。そこで脱水の前に凝集剤を加えて汚泥の粒を大きくまとめ、水の通り道を確保するのが前処理です。このとき使う無機凝集剤の代表が、鉄系の塩化鉄(Ⅲ)や、消石灰とも呼ばれる水酸化カルシウムです。選択肢(2)はこの基本どおりの記述で正しい肢です。一方、誤り肢には固形物濃度を低く書いたもの((1))、圧縮性のあるケーキでも「圧力に比例してろ過速度が上がる」とするもの((3))、ヌッチェ試験の中身を取り違えたもの((4))、ろ過助剤を「少量で効きケーキ量はほぼ増えない」とするもの((5))が並びます。数値や比例関係のすり替えに注意して読むのが要点です。
覚え方
- 脱水の前処理(無機凝集剤)は塩化鉄(Ⅲ)・消石灰。
- 圧縮性ケーキは、ろ過圧力を上げても速度は比例して増えない(圧密で目詰まり)。
- ろ過助剤(ケイ藻土など)はそれなりに添加 → その分ケーキ量は増える。
理解度チェック
脱水の前処理に使う無機凝集剤の例は?
塩化鉄(Ⅲ)や水酸化カルシウム(消石灰)です。汚泥の粒をまとめて水の通り道をつくり、脱水しやすくします。
圧縮性のあるケーキでろ過圧力を上げると、ろ過速度は圧力に比例して増える?
増えません。圧力を上げるとケーキが圧密されて目詰まりするため、圧力に単純に比例してろ過速度が上がるわけではありません。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月