令和元年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問5を解説|金属水酸化物の溶解度とpH
令和元年度 汚水処理特論 問5は、各種金属イオンの溶解度とpHの関係を示した図から排水処理を読み取る正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
図は金属ごとに、溶解度が下がって沈殿するpH域を示し、両性金属では高pHで再び溶解度が上がる(再溶解する)様子を表します。多くの金属は適したpHで沈殿しますが、アルミニウムや亜鉛のような両性金属は曲線がV字型で、高pHにするとH2AlO3-やHZnO2-になって再び溶け出します。引っかけの核心は選択肢(3)で、アルミニウムを「pH6以上でほぼ完全に除去」と、pHを上げるほど除去が進むかのように書いている点です。両性のAlは高pH側で再溶解するため、除去できるのは限られたpH域です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 2価の鉄は高めのpH(11付近)で溶解度が下がり、ほぼ完全に除去されます。図と整合する正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 3価の鉄は低いpH(4付近)でも溶解度が下がり、ほぼ完全に除去されます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | アルミニウムを「pH6以上でほぼ完全に除去」とする点が誤りです。Alは両性金属で高pH側では再溶解するため、除去できるのは限られたpH域です。 |
| (4) | ○(正しい) | 銅はpH9付近で溶解度が下がり、ほぼ完全に除去されます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 亜鉛はpH9〜10の範囲で溶解度が下がり、ほぼ完全に除去されます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
アルミニウムは両性金属で、溶解度曲線はV字型になります。適したpH域では水酸化物として沈殿し溶解度が最小になりますが、そこからpHをさらに上げると過剰の水酸化物イオンと反応してH2AlO3-の形で再び溶け出し、溶解度が上がります。したがって「pH6以上ならほぼ完全に除去」と高pH側をひとくくりに除去できると読むのは誤りで、除去できるのは限られたpH域に限られます。
覚え方
- 両性金属(Al・Zn)は高pHで再溶解=除去できるpH域は限られる。
- 溶解度曲線がV字なら両性金属のサイン。
理解度チェック
Q.
アルミニウムはpHを上げるほど除去が進む?
いいえ。両性金属なので高pHではH2AlO3-になって再溶解します。除去できるpH域は限られます。
Q.
溶解度曲線がV字を描く金属の特徴は?
両性金属です。適したpHで沈殿し、高pHで再溶解します(アルミニウム・亜鉛など)。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月