令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問8を解説|吸着剤の特性
令和5年度 ダイオキシン類特論 問8は、排ガス処理に用いる吸着剤の特性に関する問題です。示された記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸着剤は、無数の細孔がつくる広い表面に分子を捕まえる材料で、活性炭・活性コークス・活性アルミナなどが代表です。細孔は大きさで区分され、実際に吸着を担うのは主に小さなミクロ孔です。引っかけの核心は、原料による細孔のできかたです。ヤシ殻を原料とする活性炭はミクロ孔が発達しており、これが高い吸着力の源になります。細孔が「マクロ孔(大きな孔)に集中する」とすり替えた選択肢が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 活性炭は炭素の微結晶に多環芳香族などが積層し、酸素・水素を含む官能基をもちます。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | ヤシ殻系活性炭はミクロ孔が発達しています。マクロ孔に細孔分布が集中するとする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 活性コークスは活性炭より比表面積の小さい炭素質材料です。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 活性アルミナは比表面積が最大300 m2/g前後で、極性分子の吸着に適します。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 排ガス中ダイオキシン類の処理を主用途とする活性炭系材料も市販されています。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
活性炭の細孔は、大きい順にマクロ孔・メソ孔・ミクロ孔に分けられ、分子を捕まえる主役はもっとも小さなミクロ孔です。硬いヤシ殻を原料にした活性炭は、このミクロ孔がよく発達しており、比表面積が大きく吸着力に優れます。選択肢(2)は細孔分布がマクロ孔に集中すると述べており、実際の傾向と逆です。マクロ孔は主に分子を奥へ運ぶ通り道の役割で、吸着量そのものを大きくするのはミクロ孔だという点を取り違えないようにします。
覚え方
- 吸着の主役はミクロ孔。マクロ孔は分子の通り道。
- ヤシ殻系活性炭はミクロ孔が発達し比表面積が大きい。
- 活性コークスは活性炭より比表面積が小さい。
理解度チェック
Q.
ヤシ殻系活性炭で発達しているのはどの細孔?
ミクロ孔です。これが大きな比表面積と高い吸着力を生みます。
Q.
吸着量を主に担う細孔と、分子の通り道になる細孔は?
吸着量はミクロ孔、通り道はマクロ孔が主に担います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月