令和3年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問15を解説|クロロベンゼン類の製造
令和3年度 ダイオキシン類特論 問15は、クロロベンゼン類の製造プロセスとダイオキシン類の発生に関する問題です。下線を付した箇所(1)~(5)のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
クロロベンゼン類は、ベンゼンを塩素化して作られる化合物で、染料中間物・農薬・医薬品などに使われます。この問題で問われる核心は、塩素化に使う触媒の種類です。ベンゼンに塩素を導入する反応(芳香環への求電子置換)は、塩化鉄などの鉄系ルイス酸触媒で進みます。白金触媒は水素化などで使う触媒で、この塩素化の触媒ではありません。用途や、粗クロロベンゼンの水洗施設・廃ガス洗浄施設からダイオキシン類を含む排水が確認されたという記述はいずれも正しく、触媒の種類だけが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 箇所 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 塩素化に用いる触媒の種類。ベンゼンの塩素化は鉄(塩化鉄)系のルイス酸触媒で進み、白金触媒ではありません。 |
| (2) | ○(正しい) | 染料中間物・農薬・医薬品などの用途は、クロロベンゼン類の代表的な使い道です。 |
| (3) | ○(正しい) | 粗クロロベンゼンの水洗施設は、ダイオキシン類を含む排水の発生源のひとつです。 |
| (4) | ○(正しい) | 生成物の回収工程に係る廃ガス洗浄施設も、同様に発生源として確認されています。 |
| (5) | ○(正しい) | 実態調査でダイオキシン類を含む排水の発生が確認された、という結論も正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
ベンゼンの塩素化は、芳香環に塩素を置換させる求電子置換反応で、塩化鉄などの鉄系ルイス酸触媒によって進みます。ルイス酸が塩素分子を活性化し、環に塩素が入りやすくなる仕組みです。ここで「白金触媒」とするのは誤りで、白金は主に水素化・脱水素などに使われる触媒であり、この塩素化の触媒には当たりません。触媒名を鉄(塩化鉄)系に置き換えると正しい記述になります。
覚え方
- ベンゼンの塩素化は鉄(塩化鉄)系ルイス酸触媒で進む。
- 白金触媒は水素化系の触媒。塩素化の触媒と取り違えない。
- クロロベンゼン類の製造は、水洗施設・廃ガス洗浄施設がダイオキシン類含有排水の発生源。
理解度チェック
Q.
ベンゼンを塩素化してクロロベンゼン類を作るとき、触媒は何系か?
鉄(塩化鉄)系のルイス酸触媒です。白金触媒ではありません。
Q.
クロロベンゼン類製造で、ダイオキシン類を含む排水の発生源として挙げられる施設は?
粗クロロベンゼンの水洗施設や、回収工程に係る廃ガス洗浄施設です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月