令和6年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問10を解説|製紙工場の排水処理
令和6年度 大規模水質特論 問10は、製紙工場の汚濁負荷削減技術と排水処理工程に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
製紙工場では、節水や白水回収で汚濁負荷を減らし、活性汚泥と凝集沈殿で排水を処理します。回収できる繊維や原料はできるだけ抄紙工程へ戻しますが、処理の最後に出てくる汚泥は別扱いです。引っかけの核心は選択肢(5)で、排水処理で脱水された汚泥を「漂白工程を経た後、抄紙原料として再利用する」とする点です。脱水された余剰汚泥は焼却などで処分するのが基本で、漂白して抄紙原料に戻すものではありません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 黒液濃縮工程で出る凝縮水を洗浄に使うなど、洗浄水を減らす節水対策が重要です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 白水回収装置は微細気泡を出し、白水中の微細繊維や塡料を気泡に付けて浮上分離します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 排水処理の生物処理では、微生物の栄養源として窒素・りんを添加します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 活性汚泥処理水は、さらに凝集沈殿処理をかけてから放流します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 脱水された汚泥は焼却などで処分するのが基本です。漂白して抄紙原料に再利用するとする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
製紙工場では、白水回収装置で回収した微細繊維や塡料のように、使える原料は抄紙工程へ戻します。しかし排水処理工程で最後に生じ、脱水された余剰汚泥は、余った微生物や凝集沈殿で沈んだ汚れの塊で、抄紙原料として使える品質ではありません。この汚泥は焼却して減容・処分し、灰を利用するのが一般的で、漂白工程を通して抄紙原料に戻すことはしません。選択肢(5)は、処分すべき脱水汚泥を、回収した原料と同じように再び紙の原料へ戻すものとして描いている点が誤りです。
覚え方
- 白水から回収した繊維・塡料=抄紙原料へ戻す。
- 排水処理で出た脱水汚泥=焼却などで処分(抄紙原料には戻さない)。
- 白水回収=微細気泡で繊維・塡料を浮上分離(加圧浮上)。
理解度チェック
Q.
排水処理で脱水された余剰汚泥はどう扱う?
焼却などで処分するのが基本です。抄紙原料としては使えない品質なので、漂白して原料に戻すことはしません。
Q.
白水回収装置で抄紙工程に戻すのは何?
白水中の微細繊維や塡料です。微細気泡で浮上分離して回収し、原料として再利用します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月