令和6年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問8を解説|製油所の排水処理
令和6年度 大規模水質特論 問8は、製油所の排水処理と排水量の削減策に関する問題です。最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
製油所では、プロセス排水の再利用、冷却方式の工夫、凝縮水の回収などで排水量を減らします。引っかけの核心は選択肢(3)で、海水を冷却水に使った場合に「急速ろ過及び活性炭処理を行ったうえで循環使用する」とする点です。海水冷却は取り込んで一度使ったらそのまま放流する一過式(ワンスルー)が基本で、ろ過や活性炭処理を加えて循環使用するものではありません。海水は塩分が濃縮しやすく、循環利用には向かないためです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排水ストリッパーで処理した塔底水を、原油脱塩装置や水素化処理装置へ送って再利用します。妥当な削減策です。 |
| (2) | ○(正しい) | 総量規制に備え、最終出口のガードベースンにpH計・COD計・流量計を設けて監視します。妥当な対応です。 |
| (3) | ×(誤り) | 海水冷却水は一過式が基本で、急速ろ過・活性炭処理を行って循環使用するとする点が不適切です。 |
| (4) | ○(正しい) | 水で冷却するクーラーを空冷のエアフィンクーラーに替えると、冷却水と排水を減らせます。妥当な削減策です。 |
| (5) | ○(正しい) | 発電機のスチームの凝縮水を回収して再利用すれば、補給水と排水を減らせます。妥当な削減策です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
海水は取水量に事欠かないため、冷却水として使うときは一度通して放流する一過式(ワンスルー)が一般的です。循環させようとすると、蒸発で塩分がさらに濃くなって配管や熱交換器のスケール・腐食を招くうえ、急速ろ過や活性炭処理を加えても塩分そのものは除けません。つまり海水冷却水を「ろ過・活性炭処理して循環使用する」という前提が実情に合いません。循環利用を検討するのは、塩分の少ない間接冷却水などであって、海水ではありません。選択肢(3)は、循環しにくい海水冷却水を循環使用するものとして描いている点が不適切です。
覚え方
- 海水冷却水は一過式(ワンスルー)が基本。塩分濃縮で循環に不向き。
- 排水量削減=再利用・空冷化(エアフィンクーラー)・凝縮水回収。
- 総量規制対応=最終出口ガードベースンでpH・COD・流量を監視。
理解度チェック
Q.
海水を冷却水に使うときの基本的な使い方は?
取り込んで一度使い、そのまま放流する一過式(ワンスルー)です。塩分が濃縮しやすく循環利用には向きません。
Q.
水冷クーラーを空冷のエアフィンクーラーに替える狙いは?
冷却に使う水そのものを不要にして、冷却水と排水を減らすことです。排水量削減策の一つです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月