令和3年度 公害防止管理者 大気・水質概論 問8を解説|水質二法制定の契機
令和3年度 大気・水質概論 問8は、1958(昭和33)年に起こり、水質二法(公共用水域の水質の保全に関する法律・工場排水等の規制に関する法律)が生まれる契機となった公害問題を問う問題です。該当する事件を選びます。
この問題のポイント
戦後の水質行政が始まるきっかけを問う歴史問題です。分かれ目は、水質二法(1958年)の直接の契機となったのが江戸川パルプ工場(製紙工場)の汚水事件による漁業被害である点です。水俣病やイタイイタイ病も重大な水質公害ですが、この二法の直接の契機として問われているのは製紙工場の汚水事件です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 契機か | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(該当しない) | 足尾銅山鉱毒被害は明治期の鉱害で、水質二法の契機ではありません。 |
| (2) | ○(これが契機) | 1958年の江戸川パルプ工場汚水事件による漁業被害が、水質二法制定の契機です。 |
| (3) | ×(該当しない) | 水俣病は重大な水質公害ですが、この二法の直接の契機ではありません。 |
| (4) | ×(該当しない) | イタイイタイ病はカドミウムによる公害で、この二法の直接の契機ではありません。 |
| (5) | ×(該当しない) | トリクロロエチレンによる地下水汚染は後年の問題で、契機ではありません。 |
選択肢(2)のポイント(ここが答え)
製紙工場である江戸川パルプ工場の排水が下流の漁業に大きな被害を与え、漁民との紛争へ発展したことが、1958(昭和33)年の水質二法(公共用水域の水質の保全に関する法律・工場排水等の規制に関する法律)が生まれる契機になりました。水俣病やイタイイタイ病を契機と取り違えないことが重要で、これらは水質公害の代表例ではあっても、この二法の直接の契機として問われる事件ではありません。足尾銅山鉱毒は明治期の鉱害です。
覚え方
- 水質二法(1958年)の契機=江戸川パルプ工場の汚水事件(製紙工場の排水・漁業被害)。
- 水俣病・イタイイタイ病は別の水質公害。二法の契機と混同しない。
理解度チェック
Q.
1958年の水質二法制定の契機となった事件は何ですか。
江戸川パルプ工場汚水事件(製紙工場の排水による漁業被害)です。
Q.
水質二法とは、どの2つの法律ですか。
公共用水域の水質の保全に関する法律と工場排水等の規制に関する法律です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気・水質概論 問8」(公式PDF)
- 公害・環境行政史(水質二法の制定経緯)
※ この記事の確認日:2026年7月