令和元年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問4を解説|サイクロンの特性
令和元年度 ばいじん・一般粉じん特論 問4は、サイクロン(遠心力集じん装置)の特性に関する問題です。構造や運転にまつわる記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
サイクロンは、ガスを旋回させて生じる遠心力で粒子を壁へ飛ばし、下部へ落として捕集する装置です。方式の分類、ブローダウンの効果、マルチサイクロンなど、基本用語が正しく並んでいます。引っかけの核心は、ダスト濃度と圧力損失の関係で、直感では「粒子が多い=抵抗が増えて圧損も増える」と考えがちですが、実際のサイクロンでは向きが反対になる、という点を知っているかどうかが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ガスの入れ方で、接線流入式と軸流式に大別されます。分類として正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 向きが逆です。ダスト濃度が増すと圧力損失はむしろ減少します。「増加するほど大きくなる」は誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 分離限界粒子径を正確に計算する確立した方法はまだなく、実験式などで見積もります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ブローダウンで下部から抽気するガス量は、処理ガス量の5〜15%程度が目安です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 小形サイクロンを多数並べたものをマルチサイクロンと呼びます。用語として正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
直感的には、ダストが濃いほど流れの抵抗が増えて圧力損失も上がりそうに思えます。しかしサイクロンでは、粒子が多いと旋回するガスの運動エネルギーが粒子を動かすほうへ回され、旋回そのものが弱まります。旋回が弱まると出口付近の圧力回復がしにくくなる分よりも損失が抑えられ、結果としてダスト濃度が高いほど圧力損失は減少するという関係になります。選択肢(2)はこれを「増加するほど大きくなる」と逆向きに書いた誤りです。濃度と圧力損失は反対に動く、と覚えておくと確実です。
覚え方
- サイクロンはダスト濃度が高いほど圧力損失は減る(直感と逆)。
- 方式は接線流入式と軸流式。多数並置でマルチサイクロン。
- ブローダウン抽気量=処理ガス量の5〜15%程度。
理解度チェック
サイクロンでダスト濃度が高くなると、圧力損失はどうなる?
減少します。粒子が旋回ガスのエネルギーを受け取って旋回が弱まり、圧力損失は小さくなります。直感とは逆向きです。
ブローダウンで抽気するガス量は処理ガス量のどのくらい?
おおむね5〜15%程度です。下部からガスを少量引くことで再飛散を抑え、集じん率を高めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月