令和元年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問2を解説|発生源施設とダストの特性
令和元年度 ばいじん・粉じん特論 問2は、各種発生源施設と、そこから排出されるダストの特性の組合せに関する問題です。5つの組合せのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ボイラー・セメントキルン・転炉・乾燥炉など、施設ごとにダストの成分や粒径には決まった傾向があります。原料や燃料が何かを思い浮かべれば、多くは判断できます。分かれ目はセメントキルンから出るダストのCaO(酸化カルシウム)含有量で、これを「製品セメントより多いのか少ないのか」で取り違えないことが核心です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 重油燃焼ボイラーのダストはすす分を含み、カーボンブラックが多く含まれます。正しい組合せです。 |
| (2) | ○(正しい) | 黒液燃焼ボイラー(クラフトパルプ)のダストは中位径が0.1〜0.3 µm程度の微細な粒子です。正しい組合せです。 |
| (3) | ×(誤り) | 向きが逆です。キルンから飛散するダストは未焼成の原料分やアルカリ分を多く含み、CaO含有量は製品セメントより少なくなります。「多い」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 転炉(製鋼)から出るダストは酸化鉄を主体とします。正しい組合せです。 |
| (5) | ○(正しい) | 骨材乾燥炉のダストは凝集性・親水性が小さい性質です。正しい組合せです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
セメントの製品は、原料を高温で十分に焼成してCaOの割合が高い状態になったものです。一方、キルンから排ガスとともに飛び出すダストは、まだ十分に焼成されていない原料分(炭酸カルシウムのままの分など)や、揮発して濃縮したアルカリ分を多く含みます。そのため、ダストのCaO含有量は製品セメントより少なくなるのが実際です。選択肢(3)の「製品セメントより多い」は向きを逆に書いた誤りです。
覚え方
- セメントキルンダストは原料寄り→CaOは製品セメントより少ない。
- 重油ボイラー=すす(カーボンブラック)、黒液ボイラー=微細粒子(中位径0.1〜0.3 µm)。
- 転炉=酸化鉄主体。施設と原料・燃料をセットで覚える。
理解度チェック
Q.
セメントキルンから飛散するダストのCaO含有量は、製品セメントより多い?少ない?
少なくなります。未焼成の原料分やアルカリ分を多く含むため、十分に焼成された製品セメントよりCaOの割合は低くなります。
Q.
転炉から出るダストの主体は?
酸化鉄です。製鋼過程で発生するため鉄の酸化物が主体になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月